弾むようなピアノの音色に乗せて、小粋な歌を聴かせる──〈ピアノマン〉なんていう、最近ではちょっと聞かれなくなったこんな言葉が、実にしっくりくる──矢舟テツローのニューアルバム『ロマンチスト宣言』は、生粋のピアノマンが生んだ、純粋なポップ・アルバムだ。
18歳からピアニストとしての活動をはじめ、ピアノ弾き語りなどで、ジャズ・バーやラウンジ等での演奏活動を続けている、矢舟テツロー。ジャズ、スウィング、ジャイヴ、リズム&ブルース、レゲエなどの音楽をバックグラウンドに感じさせながら、明快な日本語詞でポップスを作り上げてきたシンガー・ソングライターだ。2005年7月にファースト・アルバム『ダウンビート』を発表。矢舟本人も敬愛するベン・シドランからも賞讃が寄せられた。以降、ソロの弾き語りやスモール・コンボの編成でライブを展開。また、客演やセッションなども多くこなしてきた。
3年ぶりとなるアルバム『ロマンチスト宣言』は、前作同様プロデューサーにはせはじむを迎えた、随所にルーツ色が散りばめられた作品だ。ゲストボーカルに土屋浩美を迎えたリード曲「あの人がやってくる」は、彼が人生で最初にハマったという、ジャマイカのオーセンティック・スカを真っ向から取り入れた軽快な一曲。エレピとサックスがムーディなAOR「ロマンチストふたり」や、60年代の浜庫ソングを彷彿させるラテン・テイストな「ねてもさめても」。ビ・バップ調のサウンドに甘いボーカルが重なる「tricky motion」、ストリングをフィーチャーしたうっとりしそうなバラード「sleeper」……と、多彩なアプローチからピアノの響きが心地良いポップスを聴かせる。しかし、それがただ収まりがいいだけの印象を与えないのは、矢舟テツローというピアノマンのヒップなセンスがアルバム全体に横溢しているからなのだろう。
矢舟テツロー official website
http://www.yafune.com/
blog
http://vintageage.exblog.jp/
https://twitter.com/tetsuroyafune
Live Schedule
4月26日(日) 東京・北参道 ストロボカフェ
w/INUUNIQ(drumless trio) 、オガワマユ
5月16日(土) 岡山・城下公会堂
5月17日(日) 香川・三豊 ブギナイト
詳しくは 矢舟テツロー official website をご確認ください。