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土岐麻子──街の人の音楽にこだわり続けた彼女が到達した、これぞ現在進行形シティポップの傑作

2017.02.21

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City Lights
あなたの目でゆれる
City Lights
またたく窓明り
 (中略)
City Lights
誰かが手を振った
街の灯は 都会の福音

(「City Lights」より)


Cymbalsのリードシンガーとして活躍後、2004年にソロ・デビュー。以降、コンスタントにオリジナル・アルバムを発表しながら、数多くのCMソングの歌唱も担当。また数多くのアーティストの作品に客演するなど精力的に活動を展開してきた土岐麻子の、約1年半ぶりのニュー・アルバムとなるのが『PINK』だ。

これまでにも様々なアプローチで「シティポップ」なるものに挑んできた土岐麻子。前作がジェーン・スーをコンセプト・プロデューサーに据えた、不惑の年を迎える女性としての私小説的な作品だったとすれば、今回の『PINK』はさまざまな世代/性別/職業の人々が行き交う都市の暮らしを写実的に切り取っていく作品と言えるだろう。

同世代の女性シンガー・ソングライターであり、互いの作品にてコラボレーションも展開しているG.RINA(彼女の最新作『LIVE & LEARN』も現在進行形ポップスの傑作!)と共作2曲も含む『PINK』。アルバム全体のサウンド・プロデュースにはトオミヨウを起用。尾崎豊、橘いずみなどを手がけたプロデューサー・須藤晃を父に持ち、自身も玉置浩二や槇原敬之、ポルノグラフィティなどのアレンジャー/キーボード奏者として活躍するトオミヨウとの共同作業によって生まれた楽曲は、70~80年代に最先端のポップスを作り出そうと格闘した先達の冒険心を受け継ぎながらも、当時のシティポップの焼き直しとはまったく趣を異にした先鋭的なサウンドを纏っている。

SNSのタイムライン上に浮かんでは消えていくような人々のさまざまな想いと、そこにあるぬくもりを肌で感じ、くすんだ色彩の現実から一瞬のエスケープをするための夢の世界を描くように、心躍るPINK色のポップ・ミュージックへと昇華していく──街の人と街の音楽に真摯に向き合ってきた土岐麻子だからこそたどり着けた、これぞまさしく「2017年のシティポップ」と呼ぶにふさわしい音楽だ。

土岐麻子『PINK』

土岐麻子
『PINK』(DVD付)

(rhythm zone)


official website
http://www.tokiasako.com/




TOKI ASAKO LIVE TOUR 2017 “POP UP PINK!”
2017年4月14日(金)宮城・仙台darwin
2017年4月19日(水)新潟・新潟ジョイア・ミーア
2017年4月22日(土)東京・EX THEATER ROPPONGI
2017年4月28日(金)広島・広島CLUB QUATTRO
2017年4月29日(土・祝)福岡・博多 Gate’s7
2017年5月7日(日)大阪・梅田CLUB QUATTRO 
2017年5月8日(月)愛知・名古屋CLUB QUATTRO
2017年5月16日(火)北海道・札幌cube garden 
詳細はofficial websiteを参照ください。

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