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デヴィッド・ボウイが歌った「チャイナガール」の正体とは?

2024.01.09

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♪ チャイナガールと一緒なら、この気分から抜け出せる
  チャイナガールなしでは、抜け殻のような気分だ
  彼女の鼓動が雷のように打つのが聞こえ
  星々は音を立てて落ちてくる ♪


デヴィッド・ボウイがイギー・ポップとともに「チャイナガール」を書いたのは、1970年代中頃、ベルリンでのことだ。
当時、イギー・ポップはベトナム美人、クエラ・グエンにぞっこんだった。そしてふたりとも、ドラッグのお世話になっていた。

「チャイナガール」は、ボウイがイギーの彼女を見てインスパイアされたのだ、という説がある。
歌の中では、ベトナムではなく、チャイナに置き換えた、というわけだ。

だが、腑に落ちない点もある。
それは、「チャイナガール」が<チャイニーズガール>じゃないからだ。中国の女の子、というなら<チャイニーズガール>の方が自然である。

そこで、出てくるのがもうひとつの説だ。
そう、ドラッグのことを歌っているのではないか、というわけだ。
一部では、ヘロインは<チャイナホワイト>と呼ばれていたということもあり、なかなか説得力がある。
そう思ってもう一度この曲を聴くと、なるほど。。。と思えるのだ。

♪ チャイナガールと一緒なら、この気分から抜け出せる
  チャイナガールなしでは、抜け殻のような気分だ
  彼女の鼓動が雷のように打つのが聞こえ
  星々は音を立てて落ちてくる ♪


ところで、世界的に今、経済はお先真っ暗という状態である。
ソ連が崩壊し、資本主義が共産主義に勝ったとされた日は遠い昔となり、アメリカの債権を世界一保有しているのが中国、という今日この頃だ。

2014年11月にはそんな中国で、APEC(アジア太平洋経済協力)が開かれた。
世界経済は、中国市場抜きには語れなくなっている。

チャイナリスク、という文句は、タバコのパッケージに印刷された注意書きほどの説得力も持たないようだ。
チャイナは、美しい女の子なのか。ドラッグなのか。
北京に集まったお歴々は、どう考えているのだろうか。

♪ チャイナガールと一緒なら、この気分から抜け出せる
  チャイナガールなしでは、抜け殻のような気分だ
  彼女の鼓動が雷のように打つのが聞こえ
  星々は音を立てて落ちてくる ♪





デヴィッド・ボウイ『ナッシング・ハズ・チェンジド~オールタイム・グレイテスト・ヒッツ<デラックス・エディション>』
発売日:2014年11月19日(ワーナーミュージック・ジャパン)

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(このコラムは2014年11月13日に公開されたものです)

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