誰もが皆
永遠に隠し通す顔を持っている
そんな歌詞で始まる「The Stranger」はビリー・ジョエルの代表曲のひとつだが、“人は永遠に他人をわかりえないのではないか”というテーマは、若き日のビリーにとって、哲学的な主題であり、悩みであった。
「他人のことが理解できないと同時に、自分の中にも、見えない顔があるということだ」と彼は語っている。
実際、21歳の時、ビリーは自殺未遂を起こしている。
そんな若き日の悩みを乗り越え、彼はシンガーソングライターとなり、1977年にこの曲を完成させるわけだが、曲ができてみると、何かが足りたいように思えた。
そこでプロデューサーのフィル・ラモーンと話し合い、あの印象的な口笛のオープニングと、それに続くリフが完成するのだが、ビリーがイメージしたのはこんな「ストレンジャー」だった。
霧の中、トレンチコートを肩に羽織った謎の男が歩いていく姿だ。
●Amazon Music Unlimitedへの登録はこちらから
●AmazonPrimeVideoチャンネルへの登録はこちらから
(このコラムは2014年5月1日に公開されました)