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プロフェッサー・ロングヘアを偲んで〜“ロックンロール界のバッハ”と呼ばれた男の足跡と功績

2022.01.31

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“ロックンロール界のバッハ”と呼ばれた男、プロフェッサー・ロングヘア。
1980年、彼は61歳になった年にニューオーリンズの黒人街の借家で心臓発作を起こしてこの世を去った。
没後、1992年にロックの殿堂入りを果たした伝説のミュージシャンだ。
ニューオーリンズを代表するブルースピアニストだった彼は、本名をヘンリー・ローランド・バードといい「フェス」の愛称でも知られていた。
ルンバ、マンボ、カリプソを織り交ぜた独特のピアノスタイルと感情表現に富んだ個性的なヴォーカルで独自の世界を作り上げた、まさに“個性派”だった。
その音楽はファッツ・ドミノ、ドクター・ジョン、アラン・トゥーサンなど、様々な世代のミュージシャンに影響を与えたと言われている。
彼は一体どんな人生を歩んだのだろう?


──1918年、彼はルイジアナ州のボガルサという町で生まれる。
両親はともにミュージシャンで、祖父はアラバマ州の農家で奴隷として働いていたという。
彼がまだ幼い頃に家族はニューオーリンズへと引っ越し、南部で最もにぎやかな街で彼はストリートダンサーとして小銭を稼ぎ始める。
やがて彼はストリートのブルースマンたちを師匠としてギターやピアノを弾き始める。当時は、民間植林治水隊(CCC)の隊員達を相手に演奏をしていたという。
彼はそこでピアニストとして、ジャンプブルース、ブギウギ、ジャズ、カリプソ、ルンバ、サンバなど、ニューオーリンズならではの雑多なリズムを吸収しながらミュージシャンとして成長してゆく。
だが、音楽だけで生計を立てるのは難しく…彼はボクサー、コック、カード師などをしながら金を稼いでいたという。
それは1940年代の末の出来事だった。
あるクラブでデイヴ・バーソロミューのバンドが休憩を取っている間に彼が場繫ぎでピアノを弾いたところ、観客から大きな喝采を浴びる。
後にファッツ・ドミノのバンドリーダーとして知られるようになるバーソロミューだったが…その出来事をきっけにバンドをクビになってしまう。
以降、彼を含めこの時のバンドのメンバーが全員長髪だったため「プロフェッサー・ロングヘアとフォーヘアーズ」と呼ばれるようになった。これが彼の芸名の由来である。
1949年、彼は初めてレコーディングを行うチャンスを掴みプロフェッサー・ロングヘア&ザ・シャッフリング・ハンガリアンズの名義でレコードデビューを果たす。
その時に録音した「Mardi Gras In New Orleans」は、今日でもニューオーリンズ・マルディグラ(リオのカーニバルなどと並ぶ世界で最も有名なカーニバル)のテーマ曲として愛され続けており、彼の代名詞的な楽曲となった。


1950年代になると、彼はアトランティック、フェデラル、ロンなど、複数のレーベルから音源を発表する。R&Bチャートに登場する全国的なヒット曲は「Bald Head」のみだったが、他にもいくつかの小ヒットを飛ばしていった。


彼は当時、様々な名前で活動していた。
「ロイ・バード&ヒズ・ブルース・スカラーズ」
「ロイ“ボールド・ヘッド”バード」
「ローランド・バード」
「プロフェッサー・ロングヘア&ヒズ・ブルース・スカラーズ」
「プロフェッサー・ロングヘア&ザ・クリッパーズ」
などなど…このように多くの名前を使ったのは、レコード契約上の問題を避けるためであった。
1960年以降、彼の存在は次第に忘れられゆき…とうとう音楽での仕事をなくす状況になる。
1964年にリリースした「Big Chief」が唯一のヒットとなった以外は目立った活動はない。
半ば引退状態で再びカード師として小銭を稼ぐ生活に戻り、レコード店のゴミ清掃員までやるようになっていた。
しかし、ニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルの企画に携わっていたアリソン・マイナー、クイント・デイヴィスらが、1971年のフェスティバルに彼を出演させたことをきっかけに、再び音楽活動を活発化させてゆく。
以降、彼はいくつかの作品を残しながら、ドキュメンタリー映画『Piano Players Rarely Ever Play Together』(1982年)にもアラン・トゥーサン、タッツ・ワシントンと共に出演している。


1973年にはモントルー・ジャズ・フェスティバルでヘッドライナーを務めたり、1975年にはポール・マッカートニーが彼をクイーン・メアリー号船上のプライベート・パーティーに出演させてたことが話題となった。
1980年にはドクター・ジョンも参加したアルバム『Crawfish Fiesta』をリリースしたが…これが遺作となった。







こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。






『山部“YAMAZEN”善次郎×佐々木モトアキ ダブルネーム弾き語りTOUR “ちょっと長い関係の歌旅2022”】


1月15日(土)八幡DELSOL café
1月22日(土)福岡ROCK食堂(昼公演)
1月22日(土)福岡ROCK食堂2階Honey Bee(夜公演)
1月23日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis 
1月29日(土)大阪 新世界ヤンチャーズ
1月30日(日)和歌山OLD TIME
2月5日(土)久留米 農と音2号店 
2月6日(日)佐賀 雷神 
2月18日(金)横浜THUMBS UP
2月19日(土)静岡・御前崎Cook House椿
2月20日(日)名古屋ROLLINGMAN
2月22日(火)金沢JealousGuy
2月23日(水・祝)新潟Mush
3月4日(金)沖縄・コザ CROSSOVER CAFE’ 614
3月5日(土)沖縄・那覇Drunk CINDERELLA
3月6日(日)沖縄・宮古島 雅歌小屋
3月19日(土)下北沢ニュー風知空知
3月20日(日)茨城・水戸Jazz Bar Bluemoods
3月21日(月・祝)埼玉・所沢MOJO
3月25日(金)広島LIVE café Jive
3月26日(土)岡山Desperado
3月27日(日)徳島Music Bar Ricky
4月15日(金)小郡ジラソーレ
4月16日(土)熊本八代7th chord 
4月17日(日)大牟田 陽炎
4月21日(木)仙台HIGHBURY
4月22日(金)福島Harvest
4月23日(土)岩手・二戸 HOUSE OF PICNIC 
4月24日(日)秋田・湯沢BASEMENT
4月28日(金)東広島pasta amare 
4月30日(土)福岡Bassic.(ライブ&スペシャルスライドショー)

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12713121312.html






【歌ものがたり2022春〜雨ニモマケズ風ニモマケズ】


1月16日(日)長崎・タンゲ食堂
2月8日(火)福岡・大牟田Casual Bar Version
2月12日(土)東京・高円寺MOONSTOMP   
2月13日(日)埼玉・川越 大黒屋食堂  
2月26日(土)福岡・薬院 遊来友楽 
2月27日(日)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋
3月12日(土)群馬・前橋 呑竜横丁 
4月2日(土)兵庫・宝塚・IL grazie
4月3日(日)京都・四条大宮高辻 夜想 ※詳細未定
4月9日(土)茨城・古河LIVESTATION ”L” ※詳細未定

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12660299410.html




佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

例えば執筆・編集のお仕事として、、、
「ロック」「ジャズ」「ブルース」「R&B」「シャンソン」「カントリーミュージック」「フォークソング」「歌謡曲」「日本の古い歌」など、ほぼオールジャンルのページ企画・特集に対応いたします。
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音楽以外のライティングとして、WEBページの作成・リニューアル、各種パンフレット作成に伴う「店舗のご紹介」「メニューご紹介」「企業・会社のご紹介」「商品のご紹介」などなど様々なPRに関わるお仕事も承ります。


音楽、人、食、商品、街(地域)…私たちが関わるものすべてには“ものがたり”があります。
あらゆるものに存在する、ルーツや“人の想い”を伝えながら「誰が読んでもわかりすい読み物」をお作りいたします✒︎
お気軽にご依頼のご相談・ご連絡ください♪
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090-2669-2666

【佐々木モトアキ プロフィール】
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【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki

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