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エリック・クラプトン~残された者たちへの歌

2014.02.18

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1992年1月16日。
エリック・クラプトンは人気番組「MTVアンプラグド」の収録でスタジオにいた。

「MTVアンプラグド」は電気を必要とする楽器や機材を一切使わず、マイクとアコースティックの楽器のみで演奏するコンセプトの人気ライブ番組だ。
以前からオファーを受けていたクラプトンがこの番組への出演を決めたのには、ある理由があった。

クラプトンには2人の子供がいた。
その1人で4歳の息子であるコナーに会うためにニューヨークを訪れたのは1991年3月19日のこと。
サーカスを見に行ったりしながら2人の時間を過ごしたクラプトンは、息子を母親のもとに送り届けて1人ホテルに帰った。

翌朝、クラプトンのもとにコナーが亡くなったという報せが入る。
母親と暮らしていたアパートの53階の窓から転落してしまったのだ。

かつてないほどのショックを受けたクラプトンだったが、以前のように酒に溺れることはなく、代わりに仕事や曲を作ることで気持ちを紛らわせた。
その中で生まれたのが「Tears In Heaven」だ。

人に聴かせるつもりで作ったわけではないので発表するつもりはなかったのだが、自分と同じように大事な人を失って悲嘆に暮れている人たちの力になれるかもしれないという周囲の声に押されてリリースすることを決める。

そしてこの曲を演奏するのであれば、たくさんの人たちに届けることが出来る「MTVアンプラグド」の舞台がふさわしいと判断した。

もしも天国で会えたなら私の名前が分かるだろうか

もしも天国で会えたならあの時のままでいるのだろうか

私は強くなくてはいけない 進まなくてはいけない

それは私が天国にいける存在ではないから


「Tears In Heaven」の他、自身の曲やロバート・ジョンソンなどのブルース曲が歌われたこの日のライブは、翌1993年の8月に『Unplugged』というタイトルでリリースされると世界中でプラチナ・ディスクを獲得し、クラプトンにとって最大のヒット作となる。


Eric Clapton『Unplugged』
Rhino

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