街の歌

パープルタウン〜八神純子の才能と実力、人気絶頂期の光と影〜

2017.04.23

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「デビューして丸2年、いい曲を作ろうと思って無我夢中でした。でも、ふと気づいた時に“いい曲を作らなきゃいけない”というプレッシャーに押しつぶされそうになっている自分がいたんです。“このままではダメになってしまう”と必死にもがいていました。」


1980年7月21日にリリースされた八神純子の9枚目のシングル「パープルタウン」は、同年の日本航空JALPAK“I LOVE NEWYORKキャンペーン”CMソングに起用され、累計60万枚を超える大ヒットとなった楽曲である。
その年、彼女はリリース前の4月からアメリカのロサンゼルスで54日間滞在していた。
「みずいろの雨」や「ポーラスター」など次々とヒットを飛ばし、日本では“実力派シンガーソングライター”として脚光を浴びていた彼女が、突然(レコーディングなどの音楽活動ではなく)普通のアメリカの家庭にホームステイしたことが話題となった。

「とにかく一人の日本の女に戻って、ゆっくりと考えてみたかったんです。あの頃は自信喪失していました。特に曲を作る自信がなくなっちゃってて…。」


ロスに滞在中、彼女は一切ピアノも弾かず、音楽家としての生活からまったく離れていた。
その54日間が彼女にある変化をもたらしたという。

「アメリカに滞在してわかったことは、いい曲を書こうをする前に人間としていかに“素晴らしい人”になるかの方が大切ってこと。あたりまえのことだけど、人間の人生があって、そこから歌が生まれるんですよね。いい曲を作る前に、まず自分を磨かなくちゃいけないって感じたの。」


この「パープルタウン」は、アメリカ滞在を経験した彼女がニューヨークの街並みをイメージして、帰国直後にリリースした曲だった。
当初のタイトル表記は「パープルタウン」のみだったが、同曲のリリース後にフィラデルフィア出身のシンガーソングライター、レイ・ケネディの楽曲「You Oughta Know By Now(邦題:ロンリー・ガイ)」とメロディーの一部及びアレンジが酷似していることから盗作疑惑で訴訟沙汰になったため、八神の所属事務所のヤマハ音楽振興会が、原曲タイトルとレイ・ケネディ側のクレジットを入れることで決着した。
現在は楽曲表記を「パープルタウン 〜You Oughta Know By Now〜」としている。
この疑惑に対しては音楽関係者から「アレンジはほぼ原曲と同じだが、メロディーラインは大部分が異なっており、発売時期が近すぎることを考えると盗作とはいえないのではないか?」といった意見も出たという。




<参考文献『フォーク名曲事典300曲』/富澤 一誠(ヤマハミュージックメディア)>
<引用元『日刊ゲンダイDIGITAL』プレイバック芸能スキャンダル史>




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