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54(フィフティ★フォー)〜ウォーホルやミック・ジャガーも夢中になった伝説のクラブ

2017.06.14

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人はそこに住んでいる。
そこでダンスをする。
そこで酒を飲む。
そこで友達を作る。
そこでセックスをする。
そこでビジネスをする。
そこで眠る。


アンディ・ウォーホルは、自分が毎晩のように入り浸っていた“ある場所”についてそう語ったことがある。それは「スタジオ54」。ニューヨークのマンハッタンにあった伝説のディスコだ。

1977年4月26日にオープンした「スタジオ54」は、瞬く間にナイトライフを楽しむ人々の間で話題になる。出入りしたのはアート、ファッション、音楽、映画、文学といったカルチャーシーンのセレブリティをはじめとする高感度なゲストたち。

アンディ・ウォーホル、トルーマン・カポーティ、サルバドール・ダリ、ミック・ジャガー、ルー・リード、デヴィッド・ボウイ、エルトン・ジョン、フレディ・マーキュリー、デボラ・ハリー、マイケル・ジャクソン、ダイアナ・ロス、エリザベス・テイラー、フェイ・ダナウェイ、ライザ・ミネリ、ブルック・シールズ、アル・パチーノ、シルヴェスター・スタローン、ジョン・トラボルタ、ウディ・アレン、カール・ラガーフェルド、カルバン・クライン……。

オペラハウスを改造した内装、ダンスフロアの巨大なオブジェ(月の男と麻薬用のスプーン)、ステージでのライヴといった眩い光景に彩られながら、「スタジオ54」の巨大なパーティは始まった。仕掛けたのはステーキハウスの経営からのし上がったオーナー、スティーヴ・ルベル。ここに来れば、金もセックスも、ドラッグも名声も、チャンスや成功もすべてを手に入れられる。ただし、誰でも無差別に入場できるわけではない。

「ヴェルヴェット・コード」と呼ばれるルベル自らがエントランスで行う厳しい(実は気まぐれな)チェックで、客はどんな社会的立場であろうと店に選ばれるシステムなのだ。入れること自体がステイタス。セレブたちにはスポットライトの快感を、名もなき若者たちには甘い夢を、マスコミにはスキャンダルを。常に話題を提供し続ける発信源「スタジオ54」は、次第に伝説と化していった。

映画『54(フィフティ★フォー)』(54/1998)は、一人の若者の姿を通じてパーティの華やかさと裏側に潜む虚しさを描いた傑作。伝説のディスコを舞台にした青春映画として、強い印象を残す作品となった。

1979年。ニュージャージーのガソリンスタンドで働きながら、いつも対岸のニューヨークにある“約束の世界”に想いを募らせるシェーン(ライアン・フィリップ)。新聞のゴシップ欄で、同郷の憧れの昼メロ女優ジュリー(ネーヴ・キャンベル)が「スタジオ54」に出入りしている記事を目にする。実家を飛び出してウェイターとして54で働き始めるシェーン。

アニタ(サルマ・ハエック)やグレッグ(ブレッキン・メイヤー)といった仲間にも恵まれ、夢の一歩が始まっていく。しかし、そこはドラッグ漬けの気まぐれなオーナー、ルベル(マイク・マイヤーズ)の帝国。シェーンは戸惑いながらも、様々な出逢いやパーティの後の孤独を通じて大切なことに気づき始める。そんな12月の冬、国税庁のガサ入れが54に近づいていた……。

「パーティは終わった。ルベルは夢を見て現実に戻ったのだ」というシェーンのセリフがいい。この後、逮捕されたルベルは有罪判決を受けて服役。「スタジオ54」は1981年の秋に新オーナーになって再オープンしたものの、かつての魅力は望めるはずもなく86年にクローズ。一方、ルベルはホテル経営に乗り出した矢先、89年の夏に45歳でエイズで死亡した。

「スタジオ54」の熱気は当時日本の雑誌などでも報告され、クラブカルチャーの原点として、のちの東京クラブシーン誕生(80年代半ば〜後半)にも多大な影響を与えた。そこは小さな場所かもしれないが、無視できない特定の人々にとってはとてつもない世界が広がっている。それがクラブというハコの魔力なのだろう。

映画にはドナルド・トランプが架空の富豪役でカメオ出演。サントラ盤にはシック、エイミー・スチュワート、テルマ・ヒューストン、ブロンディなどが収録され、70年代後半のディスコ・ミュージックが満載だ。また、「スタジオ54」については写真集や書籍も発売されているので、興味のある方はぜひ。

予告編


54(フィフティ★フォー)

『54(フィフティ★フォー)』


*日本公開時チラシ

*参考/『54(フィフティ★フォー)』パンフレット

評論はしない。大切な人に好きな映画について話したい。この機会にぜひお読みください!
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