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天使にラブ・ソングを〜ナイトクラブの歌手が修道院でシスターになりすますウーピー主演作

2019.05.09

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脇役だろうが主役だろうがどんなポジション役でも、ただその人が出ているというだけで、その作品が気になったり、映画館に足を運ぶ気にさせてくれる俳優がいる。その存在感は映画に一筋の明るさを放ち、時にはストーリーや展開に深みを持たせる。今回登場するウーピー・ゴールドバーグの名はそれに相応しい。

アカデミー賞、グラミー賞、エミー賞、トニー賞すべての受賞経験を持つウーピーの映画デビューは、アリス・ウォーカーの同名小説を映画化したスティーヴン・スピルバーグ監督によるクラシックストーリー『カラーパープル』(1985)だった。

ある夜、アリスがウーピーのステージを見たことがきっかけで、「主役のセリーを演じられるのは彼女しかいない」と思ったそうだ。スピルバーグも「君がやらないなら僕もやらない」と言ったほど惚れ込んだ。こうして小さな劇場を巡業するコメディアンが、いきなりメジャー映画で主役デビューした。 

しかし、彼女の名が世界中に知れ渡ったのは『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990)かもしれない。インチキ霊媒師の役で感動的なラブストーリーを成就させたウーピーは、この作品でアカデミー賞助演女優賞を獲得。次の出演作に一気に注目が集まるようになった。

『天使にラブ・ソングを…』(Sister Act/1992)はそんな頃の大ヒット作。「演じていて、これほど気分がハイになる役はこれまで出会ったことがなかった」と自身が言うように、映画には人を楽しませ、前向きにさせるエネルギーで満ち溢れている。何だか平凡でシンプルな例えだが、これができる作品はこの世に一体どれだけあるというのか。もちろんそのエネルギーのど真ん中にいたのがウーピー・ゴールドバーグだった。

場末のナイトクラブ歌手でシュープリームスに憧れているデロリス(ウーピー・ゴールドバーグ)は、ギャングの愛人でもある。ある夜、決して見てはならないボス(ハーヴェイ・カイテル)の殺しの現場を目撃してしまったことから、一転して追われる立場に。警察はデロリスを重要証人扱いし、彼女に意外な環境で身を隠すように指示する。それは厳格なカトリック系の修道院!

デロリスはそこでシスターになりすまして静かにしている約束だったが、強気でトラブルメーカーの彼女が堅苦しい環境に我慢できるはずもなく、聖歌隊の指揮者を任されたことがきっかけで、本来の歌手としての血が騒ぎ始める。保守的だった修道院はソウルやR&Bを取り入れた「歌うシスターたち」として有名になり、遂にはローマ法王にも認められるようになっていく。だが、デロリスを消すために追っていたギャングも黙っていない……。

というのが最初の話。この作品は好評で、翌年には『天使にラブ・ソングを2』(Sister Act 2:Back in the Habit)という続編が作られたのだ。そしてこの出来が素晴らしい。前作を超えたエネルギーをもらえる。その要因はハイスクールに舞台を変えたこと。

廃校寸前の学校。やる気のない生徒たちが集まったクラスで、再び“シスター・メアリー・クラレンス”となったデロリスの活躍が始まる。状況を打破するために彼女が思いついたのは、音楽好きな生徒たちで聖歌隊を結成をすること。そのためならゴスペルだけでなく、ヒップホップも取り入れる。

中でも一番才能があるのが、将来歌手を夢見るリタ。しかし母親は娘の夢を否定し、もっと現実的な道を歩かせたいと思っているため、親子の間では衝突が絶えない。それが原因なのかデロリスにも反抗的な態度を取っている。果たしてデロリスと生徒たちの心は一つになるのか。全国コンテストの開催日が迫ってくる……。

のちにフージーズやソロ活動でその名を知られる17歳のローリン・ヒルが、リタ役で好演。ウーピー並みのエネルギーを放っていて眩しい。

予告編


音楽的/ストーリー的に前作よりも評価が高い続編

『天使にラブ・ソングを…』

『天使にラブ・ソングを…』


『天使にラブ・ソングを…2』

『天使にラブ・ソングを…2』


*日本公開時チラシ


*参考・引用/『天使にラブ・ソングを…』パンフレット

評論はしない。大切な人に好きな映画について話したい。この機会にぜひお読みください!
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