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ロックの殿堂入り1992〜ヤードバーズ/ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスほか

2016.11.16

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「TAP the COLOR」連載第160回

1986年から始まった「ロックの殿堂」(Rock and Roll Hall of Fame) は、デビュー25年以上のミュージシャンやバンドを対象としているが、1992年のセレモニーではボビー・ブランド、ジョニー・キャッシュ、ブッカー・T&ザ・MG’s、アイズレー・ブラザーズ、サム&デイヴ、ヤードバーズ、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスらが殿堂入りした。

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odr6022-600x600 ボビー・ブランド『Two Steps from the Blues』(1961)
黒人聴衆に向けた全国巡業、いわゆるチタリン・サーキットの帝王として君臨した偉大なるシンガー。ゴスペル、R&B、ジャンプ、バラード、ソウルなど、すべてにブルースが根付いた太く滑らかな独特の歌唱。「ブルースから二歩離れた」色気が本作には充満している。1978年には来日もした。2013年6月23日死去、享年83。


1e4655c26e066711991e8d82afcbf87f-600x600 ジョニー・キャッシュ『American Recordings』(1994)
1980年代は不遇の時代を過ごし、レコード契約さえ失ったこともあったレジェンド、ジョニー・キャッシュ。親友たちが次々と死去する中、普通のミュージシャンならここで終わるだろう。しかし、1990年代半ばにオルタナティヴシーンによってロック復権が高まった頃、彼を救ったのは、彼の音楽に対する真摯な姿勢を目に焼き付けていた新しい世代のミュージシャン、まだジョニー・キャッシュを知らない若い世代の聴衆だった。還暦のロックミュージシャンなど皆無だった頃、その命をかけた晩年録音作『American Recordings』シリーズの持つ力は、後に続く世代にどれほどの精神的支柱となったことだろう。

6f9b5ebe0f21498bbe601667165c7523 ヤードバーズ『Having a Rave Up with The Yardbirds』(1965)
エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジのいわゆる三大ギタリストを輩出したバンドとして語られがちだが、その出発点はストーンズに次ぐロンドンR&Bシーンの二代目顔役としてだった。本作はベック在籍時のトラックと、クラプトン在籍時のライヴ録音で構成されたアメリカ編集盤。なお「The Train Kept A-Rollin’」は、映画『欲望』のワンシーンで演奏された。
(こちらもオススメです)
欲望〜スウィンギング・ロンドンと60年代ポップカルチャー

51c34jareal ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス『Are You Experienced』(1967)
ジミヘンの伝説的デビュー作。イギリス盤(本作)とアメリカ盤では曲数は11曲と同じだが、ジャケットデザインと選曲が違う。アメリカ盤は「Red House」「Can You See Me」「Remember」の代わりに、「Purple Haze」「Hey Joe」「The Wind Cries Mary」を収録(ちなみにこの6曲は当時の編集盤『Smash Hits』にすべて収録されている)。ロックの色気と体臭が染み込んだ奇跡の名盤。

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