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春夏秋冬〜泉谷しげるに“歌わせない・弾かせない”手法で最大のヒットを生み出したプロデューサー加藤和彦の手腕とは!?

2022.12.29

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ボブ・ディランもそうじゃないですか。
初期の頃はワー!っと歌ってるんだけど、そういう歌い方をやめるじゃないですか。
吉田拓郎もそうだよね。
いわゆる“歌い上げる気持ち悪さ”なんですよ。
それをすでに加藤和彦はわかってたんですよ。
俺はその時はわからないから「歌わせろ!歌わせろ!」って言ってね(笑)
ずっと盛り上がらないまま曲が終わっちゃって…内心「いいのか!?これで」と思いま
ドラムも入ってないし、ブルースハープは加藤さん自分で吹いちゃうし、俺にギターを弾かせないし…とにかくやらせないんですね。
つまり、熱い想いを具現化させない。
その“やらせない”ことが“センスの良さ”なんです。


泉谷しげるの最大のヒット曲であり代表曲である「春夏秋冬」は、1972年に発表された。
作詞作曲は泉谷本人だが、この楽曲を編曲しヒットに導いたのは当時プロデューサーとして活躍していた加藤和彦だった。
その頃の加藤と言えばサディスティック・ミカ・バンドなどを通じて海外の音楽事情に精通し、グローバルで洗練されたライフスタイルを貫いていた“ダンディズムの極地”のような存在だったという。
方や泉谷と言えば、体当たりのステージンク、歯に衣を着せぬ発言や“乱入”などがパブリックイメージとなっていた気鋭のシンガーソングライターだ。
泉谷と加藤のタッグは誰がどう見ても異色の組み合わせだった。
だが、そんな“水と油”のような二人が化学反応を起こし、「春夏秋冬」での仕事をきっかけに、その後も数々の作品を作り出してゆくのだった。
泉谷は1971年の11月、ライブアルバム『泉谷しげる登場』でデビューを果たした。
そして翌年の4月にスタジオ盤の1stアルバム『春夏秋冬』をリリースし、一気にその名を全国に広めてゆくのだった。
加藤はまさに“泉谷を売った男”だった。
泉谷は当時のことこんな風に振り返っている。

俺たちフォークのシーンは吉田拓郎とかがマイナーレコード会社から出てきた頃で、まだレコーディングのやり方などよくわかっていなかったんだよね。きわめて日本的な録音というものを“ギョウカイ”だか“ゲイノウカイ”だか何だか知らねぇが、わけのわからないスタジオのオヤジがよぉ、昔ながらのしょうもない習慣を押しつけていた時代だったんだよ。そんな時にミュージシャン側に立って「こういう風に録るんだ」と、レコーディングのやり方を教えてくれたのが加藤さんなんです。


泉谷のスタジオ盤1stアルバム『春夏秋冬』のプロデューサーに加藤を抜擢したのはレコード会社(エレックレコード)の社長だった。
「加藤にやらせろ!」「お前にレコーディングができるのか!?」
この二言で話は決まったという。
泉谷は「春夏秋冬」をレコーディングした日のことを鮮明に憶えていた。

彼が編曲してきたアレンジは最初、歌いづらかったですね。
イメージ的にはゆったりと歌うような感じの曲なのに…それを平気でタラ〜と流しちゃうんですよ(笑)
でも実はここが彼のセンスの良さ。
俺もそれにだんだん気づいていくんだけどね…いわゆる“歌い上げる気持ち悪さ”ってやつに。
実際にレコーディングスタジオでガー!と歌ってたら、加藤さんが「なに頑張ってんだか…」と鼻で笑うんです。
「てめぇ!ちゃんと歌ってなにが悪いんだ!この野郎!!!お前と俺とは違うんだ!!!」ってなったんだけど…まぁ後々のことを考えると、それが実に正解だったんです。



<引用元・参考文献『永遠のザ・フォーク・クルセダーズ ~若い加藤和彦のように』田家秀樹(ヤマハミュージックメディア)>





こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。





【歌ものがたり2023 今夜すべての歌酒場で】

1月14日(土)長崎タンゲ食堂
1月15日(日)佐賀(唐津)DEN
1月20日(金)大牟田BAR LAST NUMBER
1月21日(土)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis
1月22日(日)二日市COFFEE AND CIGARETTES
1月26日(木)福岡(警固)呑処 岡ひろ
1月28日(土)米子 海あに💋
1月29日(日)岡山Record BAR COZY
1月30日(月)兵庫IL grazie伊丹店
2月9日(木)名古屋 ROLLING MAN
2月10日(金)京都Bar USAGI
2月11日(土)浜松Esquerita68
2月12日(日)東海市 Funky LIVE Diner ダイナマイト
2月18日(土)福岡 Bar KINGBEE💋
2月19日(日)大分・宇佐 Michiyard cafe
3月10日(金)札幌 天狼星(ドッグスター)
3月11日(土)札幌 SALINAS💋
3月12日(日)埼玉(北浦和) パラダイスロード
3月25日(土)佐賀 雷神💋


↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733736025.html









【TWO HUNDREDS 佐々木モトアキ×NOBUYAN’ Special Acoustic Live Tour 2023 東京公演 】

1月7日(土)東京・ZINC Asakusa

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12768882625.html





【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神” Autumn/Winter 2022 Japan Tour】

11月26日(土)高円寺MOONSTOMP
12月17日(土)埼玉・所沢MOJO


↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12751903088.html





【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神” Spring/Summer 2023 Japan Tour #1】


2月3日(金)富山・高岡GOOD FELLOWS
2月4日(土)金沢JealousGuy
2月5日(日)新潟 Live Bar Mush
2月23日(木・祝)広島NANA
2月24日(金)岡山Desperado
2月25日(土)米子 海あに
2月26日(日)松江MUSICA LIBERUM @Miz
3月4日(土)横浜Bar Brixton Market
3月5日(日)静岡・三島 ぐらBar’s
3月16日(木)沖縄・コザ CROSSOVER CAFE’614
3月17日(金)沖縄・那覇 Output
3月18日(土)沖縄・伊江島 Bar’n ZERO
3月20日(月)福岡 Bar KING BEE
3月21日(火・祝)福岡 Bar KING BEE



↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12772950670.html




佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

例えば執筆・編集のお仕事として、、、
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【佐々木モトアキ プロフィール】
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