ビートルズやローリング・ストーンズ、ザ・フー、キンクスなど、世界中を席巻したビート・バンド。その熱波を受けて、日本ではグループ・サウンズの一大ブームを生んだが、同じようにアジアや南米など非欧米圏の各地で、ビート・バンドから影響された音楽がたくさん産み落とされた。
カンボジアもそのひとつ。民謡や大衆歌謡、モーラムの節回しを残したようなクメール語の歌、ドタバタ刻まれる熱量高めなビート、そして独特のサイケデリックをまとったサウンドがなんとも言えない味わいを持つカンボジアン・ロックは、60年代後期から70年代初頭にかけて現地で大流行したという。しかし、1975年にポル・ポトが政権を握ると、徹底的な文化弾圧が行われ、欧米のロックンロールに影響を受けたミュージシャンたちも多く粛清されてしまい、カンボジアのロックの歴史は儚くも途絶えてしまった。
その短く咲いたカンボジアン・ロックに強く惹かれたしまったLAのミュージシャンたち(メンバーの中にはBeckのサポートをするサックス奏者も含まれる)により、2001年に結成されたのが〈デング・フィーヴァー〉だ。LAのカンボジアン・コミュニティから見出された紅一点の女性ボーカル、チャウム・ニモルをフロントに据えた6人組は、2003年にファースト・アルバムをリリース。以降、コンスタントに作品を発表しながら、ライブ活動を展開している。
自分たちが影響を受けたカンボジアン・ロックのカバーをはじめ、モンドでサイケな薫りが充満するガレージ・ロック/サーフ・ロックを基調としたサウンドと、トラディショナルなカンボジア歌謡を歌うシンガーでもある二モル嬢のコブシの効いた高音ボーカルがクセになるデング・フィーヴァー。ジム・ジャームッシュやマット・ディロンも自身が監督した映画のサントラに彼らの楽曲を起用するなど、多くのリスナーを虜にしてきた。
2015年2月には6枚目のオリジナル・アルバム『The Deepest Lake』のリリースが決定している彼らだが、それに先駆けて11月26日に初の来日公演を開催。以前より耳の早いロック好きや、辺境音楽マニアたちから熱いラブコールが送られてきた彼ら。奇しくも今年の晩夏から初秋にかけて〈デング熱〉の感染が話題になったタイミングでの日本上陸だが、こちらの〈デング・フィーヴァー〉が引き起こす熱病は、ここがどこなのかも一瞬わからなくなるような異空間へと誘ってくれることだろう。
Dengue Fever official website
http://denguefevermusic.com/
Dengue Fever「Sni Bong」 MV
Dengue Fever「Seeing Hands」 MV
Dengue Fever「Uku」 Live
Dengue Fever「Seeing Hands」(Later with Jools Holland) Live
DENGUE FEVER 来日公演「お騒がせしております」
11月26日(水)東京・青山 月見ル君想フ
LIVE:
Dengue Fever(from U.S)
guest act:
Goonam(from KOREA)
柳家小春 vs Amephone’s attc
guest DJ:
Soi48(KEIICHI UTSUKI & SHINSUKE TAKAGI)
詳細・問い合わせは下記リンクを参照ください。
http://www.moonromantic.com/?p=22069