サンセット・サンズ──フランスのビーチで出会ったサーファーたちが紡ぐ、アーシーでロマンチックなサウンド

フランス南西部のリゾート地、ソール＝オスゴール。ヨーロッパ随一のサーフ・スポットとして知られるこのビーチにあるバー出会った、4人のサーファーたち──イギリス、オーストラリアと出身も国籍も違うロリー、ピート、ジェド、ロブによって2012年に結成された、サンセット・サンズ。

ヨーロッパのサーフ・コミュニティから火がついた彼らは、2014年2月に配信専門自主レーベルからリリースした『Le Surfing EP』がイギリスのiTunesロック・チャート6位を記録。BBCレディオ1やMTVからブレイク必至のバンドとしてプッシュされ、イマジン・ドラゴンズのツアー・サポートに抜擢されるなど、一気に注目度を高めていった。

キングス・オブ・レオン、ノラ・ジョーンズなどを手がけグラミー賞を受賞するプロデューサー＝ジャクワイア・キングと、アークティック・モンキーズなどを手がけるジェームズ・ルイスらをプロデューサーに迎え完成させたデビュー・アルバムが、この『Very Rarely Say Die』だ。

ソウル／ファンクをルーツに持ちながら、キングス・オブ・レオンあたりに通じるアーシーなバンド・サウンドにのせて、ボーカリストであるロリーのハスキーな歌声で紡いでいくメロディは、メランコリックな魅力を放つ。そして、ドリーミーでロマンチックな音像は海辺のまどろみのように心地よく、いつの間にかうっとりと没入してしまう。そのバンド名のように、陽が傾きかけたビーチのなんともいえないせつなさを描いていく、サンセット・サンズ。これから夏に向けて、愛聴したくなる一枚だ。