「本物の音楽」が持つ“繋がり”や“物語”を毎日コラム配信

TAP the POP

TAP the NEXT

クルアンビン──60〜70年代のタイ産音楽に影響を受けた、エキゾでサイケなファンク・バンド

2018.11.13

Pocket
LINEで送る


ギターのマーク・スピアー、ドラムスのドナルド“DJ”ジョンソン、そして紅一点のベース奏者ローラ・リーからなる、テキサス州ヒューストン出身の3人組バンド、クルアンビン(Khruangbin)。そのバンド名は、タイ語で空飛ぶエンジン(飛行機)の意味を持つという。

彼らがもっとも影響を受けたというのが、60〜70年代にタイで生まれたファンクやロック。レアなカセットテープ音源を聴いては、タイの音楽が生まれる瞬間の熱を夢想し、そこに内包されるエキゾチックでサイケデリックなエッセンスを抽出していく。そうしてジャム・セッションを重ねていきながら、バンドとしての方向性が固めていった。

2013年、人気DJのボノボが選曲した『Late Night Tales』というコンピレーションに、クルアンビンの楽曲が収録。その後、エンニオ・モリコーネやYMO(マーティン・デニー)のカバーを収録したEPを発表し、。2015年にはファースト・アルバム『The Universe Smiles Upon You』をリリース。この作品で幅広い支持を集めたクルアンビンは、ファーザー・ジョン・ミスティのツアー・サポートや、グラストンベリーなどのフェス出演など、世界各地で精力的なライブを展開していった。

先ごろ発表したセカンド・アルバム『Con Todo El Mundo』は、これまでのクルアンビンの肝であったタイや東南アジアの音楽のエッセンスに加えて、中東のファンクなどからも影響を受け、バンド・サウンドはさらにカオティックな深みを増している。

深いリバーブがかかった妖しくドリーミーなギター。ゴリッとした音色でなんともいえない味わいを放つベース。空間を生かしたプレイでグルーヴを牽引していくドラム──まさに空飛ぶエンジンのように時空を超えて世界じゅうを旅しては、さまざまな音楽を吸収していくクルアンビン。彼らは、聴き手をまだ見ぬ景色へと誘ってくれる。


クルアンビン『Con Todo El Mundo』

クルアンビン
『Con Todo El Mundo』

(Beatink)



クルアンビン『Christmas Time Is Here』

クルアンビン
『Christmas Time Is Here』

(Beatink)


Khruangbin Japan Tour 2019
2019年3月21日(木)大阪・梅田SHANGRI-LA
2019年3月22日(金)東京・渋谷クラブクアトロ
ライブの詳細はこちら

official info
Beatink
Facebookページ

Pocket
LINEで送る

あなたにおすすめ

関連するコラム

[TAP the NEXT]の最新コラム

SNSでも配信中

Pagetop ↑

トップページへ