「キング・オブ・ロックンロール」として知られるエルヴィス・プレスリーが1961年にリリースした「Can’t Help Falling In Love」(邦題『好きにならずにはいられない』)。
18世紀のフランスで作られた「愛の喜び」を基にした美しいメロディは、エルヴィスの深みがる歌声によってバラードのスタンダードナンバーとなり、今でも歌い継がれている。
1954年にデビューしたエルヴィスは白人でありながら、黒人だけの音楽とみなされていたR&Bをカバーし、次々とヒットを放っていく。
黒人音楽だったR&Bはロックンロールと呼ばれるようになり、エルヴィスの歌とともに音楽シーンに風穴を開けて世界中に広がっていった。
兵役から帰ってきてからはバラードシンガーに転身したかのような作品が増えて、ロックスターから銀幕スターへと活躍の場が変わった。「Can’t Help Falling In Love」はその時代に吹き込まれたもので、曲はヒットしたもののロックンローラーとしての面影はすっかり失われていた。
そんなエルヴィスの「Can’t Help Falling In Love」を、ロックンロールナンバーとして復活させたのが日本のロックバンドHi-Standard(ハイ・スタンダード)、通称「ハイスタ」だ。
彼らはセックス・ピストルズやメタリカに衝撃を受けた三人の若者、難波章浩、横山健、恒岡章によって1991年に結成された。
バンドとして売れるためにはタイアップソングでヒットを飛ばし、テレビの音楽番組にも出演して、大きな
会場でライヴをするというのが昔も今も定石だ。
しかし、彼らはそんな仕組みに疑問を持っていた。ギターの横山はこのように振り返る。
ライヴハウスから出てきた先輩がテレビのインタビューで「芸能界に入ってどうですか」って聞かれてて。えっ、って思って。しかもそれに、「うーん……」とか考えていたんですよ。それで「ああ、この人は芸能界に入ってしまったんだ」って思ったのがショックで」
ハイスタはあくまでミュージシャン、そしてロックンローラーであり続けることを志向していた。
ライヴハウスで地道に活動し、熱狂的なファンを生み出したのちにも彼らはテレビに出演せず、大きな会場でライヴをすることもなかった。
そして、グリーン・デイやNOFXをはじめとした同時代に活躍していた海外のロックバンドたちと肩を並べるべく、英語で歌い海外でもライヴ活動を続けた。
それと同時に、メジャーな音楽シーンの定石を壊すような活動方法も生み出す。
自ら「PIZZA OF DEATH」というレーベルを立ち上げ、流通はメジャー・レーベルと契約することによって、アーティスト主導の音源製作体制を確立したのだ。
さらに、ライヴハウスシーンで活躍する同世代のバンドたちを集め「AIR JAM」という音楽フェスティバルを開催し大成功を収めた。
まさにロックで野心的な方法で、今までの音楽シーンのあり方に風穴を開けたのである。
そんな彼らが2000年にカバーしたのがエルヴィスの「Can’t Help Falling In Love」だった。
原曲の流麗なメロディが3人によるソリッドで荒々しい演奏やシャウトによってより際立ち、現代のロックンロールソングとして蘇った。
この曲はシングルに収められ、大ヒットを記録したことによって若いロックファンにも知られるようになる。
そして2000年以降、彼らのほぼ全部のライヴで演奏されるほどに「Can’t Help Falling In Love」は重要な曲に成長していった。
この曲を聴くだけで、彼らのロックに対する愛情とエルヴィスへの敬意が伝わってくる。
エルヴィスがロックンロールによって当時の音楽シーンを変えたように、ハイスタもパンクロックによって日本の音楽シーンを変えた。
そんなロックのDIY精神はスタイルや時代、そして国を問わず、脈々と受け継がれているのである。
●Amazon Music Unlimitedへの登録はこちらから
●AmazonPrimeVideoチャンネルへの登録はこちらから
★2つの大切なお知らせ★
【一夜限りのスペシャルライブが実現! 人気のチケットはお早めに!!】
TAP the POPが初ライブイベント『音楽愛』(ONGAKU LOVE)を開催します。豪華6組の弾き語り&バンドが出演。さらにゲストを迎えたトークショー、
次世代の音楽シーンを担う新しい才能も紹介します。
二度とないアーティストの組み合わせは、誰かに語れる貴重な体験になります。
「もう何年も何十年もライブハウスに行ってない」
「生で音楽を楽しむことの興奮を取り戻したい」
……そんな人も大歓迎。“音楽愛”の復活を共に祝福しましょう!
TAP the POP 音楽愛 (ONGAKU LOVE)
2025.2.28 FRI @横浜 ReNY β
OPEN18:00/START18:30
▼出演
冷牟田竜之(ex東京スカパラダイスオーケストラ/Taboo)
山口洋 (HEATWAVE)
ショコラ&アキト(片寄明人/ GREAT3)
イエロースタッズ
THESE THREE WORDS(冷牟田竜之)
金子駿平
佐々木モトアキ
吉澤成友(YOUR SONG IS GOOD)

★チケット入手方法
※「通常チケット「スペシャルチケット」の2種類があります。①通常チケット (人気上昇中につきお早めに!)
受付 : e+(イープラス)
受付期間 : なくなり次第終了
料金 : ¥6,600
▼通常チケットの購入はこちらから
https://eplus.jp/sf/detail/4257420001-P0030001P021001?P1=1221
②スペシャルチケット(リハ見学・記念撮影・サイン入りTシャツ・書籍・特設ページ名前入れなど数量限定)
受付 : CAMPFIRE(クラウドファンディング)
受付期間 : 2025年2月20日(木)18時まで
料金 : ¥8,000~¥50,000
▼スペシャルチケットの詳細・お申し込みはこちらから
https://camp-fire.jp/projects/view/811070
▼スペシャルライブイベント『音楽愛』について
https://www.tapthepop.net/extra/127354
【ご支援ご協力のお願い】
「音楽が秘めた力を、もっと多くの人々に広めたい」「音楽が持つ繋がりや物語を、次の世代に伝えたい」
音楽コラムサイト『TAP the POP』は、今後の活動に向けてクラウドファンディングを実施中です。
豪華6組の弾き語り&バンドが出演する一夜限りライブの「スペシャルチケット」をはじめ、参加できない人のために、“ここでしか手に入らない”グッズや書籍のリターンをご用意しました。
この機会にぜひ❝音楽愛❞を一緒に育ててくれませんか。応援よろしくお願いいたします(下記の「音楽愛」ページで経緯や想いを綴りました)。
~リターンメニューのご紹介~
♪初開催ライブイベントのスペシャルチケット(数量限定/2月20日締切)
♪Tシャツなど7種の限定デザイン&ロゴ入りグッズ
♪約4,000本の原稿から厳選するベスト盤的書籍
♪ご支援いただいた全員の方を「音楽愛メンバーの証」として特設ページで名前入れ
▼ TAP the POPクラファン「音楽愛」ページ(CAMPFIRE内)
https://camp-fire.jp/projects/view/811070
●CAMPFIREでアカウントを作成してから(簡単にできます)、TAP the POPのクラファンページに「お気に入り登録」をよろしくお願いします。最新情報がいち早く届くのでオススメです。
●「音楽愛」に共感してくれそうなお友達やお仲間がいたら、TAP the POPのクラファンページをシェア・拡散してください。よろしくお願いいたします。

TAP the POPメンバーも協力する最強の昭和歌謡コラム『オトナの歌謡曲』はこちらから。