ジャニス・ジョプリンの遺作となったアルバム『パール』。その1曲目を飾っていた「ムーヴ・オーヴァー」は彼女の代表曲のひとつとして知られる。
終わったんだってあんた、言ったわよね
もう、私たちは終わったんだって
なのにどうして私のそばをうろついてるの
ねえ、どっかへ消えてよ
自分から別れておきながら、なぜかそばをうろついている元彼に対して、ジャニスは「Move Over」という言葉を言い放つ。「ムーヴ・オーヴァー」は〈吐きすて〉の歌の典型と言える。
この歌が発表されて40年以上が過ぎた2014年。ロックとブルースを基調にした男女二人組からなるロック・ユニットのGLIM SPANKY(グリムスパンキー)が、CMでカヴァーして話題になった。
というのも、CMから流れてくる歌声がジャニス・ジョプリンのハスキー・ヴォイスと似ていたので、ジャニスの歌だと思い込んだ人も多かったからだ。それを歌っていたのが平成生まれで、当時はまだ22歳の松尾レミである。
しかし、「ジャニスの再来!」などという声に対して松尾レミは、あっさり大人たちの期待をかわして突き放す。
私がたどってきた音楽、ルーツの中にジャニス・ジョップリンはいないんです。ジャニスになりたいわけでもないし、目指してもいない。CMで歌わせていただいたのは光栄ですし、そのおかげで注目が集まったのは、もちろんうれしいんですけど、ね。
そんなクールさを持つ一方で、オリジナル曲の「褒めろよ」を聴けば、無骨とも言えるような手応えがあるロックは、ジャニスとも碓かに通底するものが感じられる。
人気アニメ「ONE PIECE」の映画版で使われた「怒りをくれよ」もそうだったが、GLIM SPANKYは21世紀に突如として日本に現れた〈吐きすて〉の歌の系譜に連なるバンドだ。
ロックもパンクも身体の中から湧き起こる初期衝動を、そのまま吐き出すことで世界に通じた面もある。
GLIM SPANKYの目標は、「日本語ロックでの世界進出」であるという。世界がぐっと近づいてきた現在ならば、不可能ではないと期待したい。

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▼日時/2025年6月7日(土曜) 開場17時/開演18時
▼場所/横浜市開港記念会館講堂(ジャックの塔)
▼出演
浜田真理子 with Marino(サックス)
畠山美由紀 with 高木大丈夫(ギター)
奇妙礼太郎 with 近藤康平(ライブペインティング)
タブレット純(司会と歌)
佐藤利明(司会と構成)
▼「チケットぴあ」にて4月5日(土曜)午前10時より販売開始 *先着順・なくなり次第終了
SS席 9,500円 (1・2階最前列)
S席 8,000円
A席 6,500円
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