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5月に去ったBLUES&JAZZマンたち〜B.B.キング/チェット・ベイカーほか

2017.05.03

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「TAP the COLOR」連載第184回

5月に亡くなったレジェンドたちの中から、ブルーズマンとジャズマンたちを。B.B.キング、ジョニー・ギター・ワトソン、チェット・ベイカー、フランク・シナトラ……今夜は、彼らが遺した音楽と向き合う時間を過ごしたい。

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B.B.キング『Six Silver Strings』(1985)
チョーキングを主体とする泣きのスクィーズ・ギターとゴスペル的な感覚のこぶし回し(メリスマ)でシャウトする歌唱で、50年代にモダン・ブルーズの新時代を築き上げたキング。年間平均330回公演という巡業生活を40年以上も続けた王様。詳しいことは「B.B.キング〜ブルース・シンガーになるということは、二度黒人になるようなものだ」で。本作はB.B.30枚目のアルバムで、ジョン・ランディス監督の映画『眠れぬ夜のために』で使われた「Into The Night」などを収録。2015年5月14日死去。享年89。

ジョニー・ギター・ワトソン『Ain’t That a Bitch』(1976)
テキサス出身のチンピラ・ブルーズマン。“ジョニー・ギター”の名はもちろんニコラス・レイ監督の西部劇から。Tボーン・ウォーカー、ゲイトマウス・ブラウンらの影響を受け、50年代からレコーディング活動を開始。大きな転機となったのが、ファンク路線に切り替えた本作。ほとんどの楽器をこなし、都会のブルーズを歌った名盤。90年代のギャングスタ・ラップにも影響大。1996年5月17日、来日公演中のステージで心筋梗塞で倒れ、帰らぬ人に。享年61。


チェット・ベイカー『Chet Baker Sings』(1954)
50年代のウエスト・コースト・ジャズのスターの一人であった若きトランペッター、チェット・ベイカー。本作は彼の声が全編に流れるロマンティックでクールなヴォーカル・アルバム。モダン・ジャズ屈指の名盤。ジャズマンの制服とでも言うべきスーツではなく、白いTシャツを着たアルバム・ジャケットの写真が西海岸的で印象的だ。1988年5月13日死去。享年58。

フランク・シナトラ『Nothing but the Best』
30年代から活動を開始したシナトラは40年代にアイドル的なスターとなる。その長いキャリアの中でも50年代後半〜60年代前半のキャピトル時代は、ジャズ・ヴォーカル史に残る数々の名盤を生んだ。本作は自身が設立したレーベル、リプリーズ時代のアンソロジー。世界で一番有名なポピュラー歌手として君臨した60年代を中心とした堂々たる歌唱が並ぶ。娘ナンシーとのデュエット、「夜のストレンジャー」「That’s Life」「My Way」など全部入っている。1998年5月14日死去。享年82。

*参考/『ブルースCDガイド・ブック2.0』(小出斉著/ブルース・インターアクションズ)、『ブルースの世界オフィシャル・ガイド』(ブルース&ソウル・レコーズ責任編集/ブルース・インターアクションズ)

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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