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エル・キング──サマソニ出演陣の中でひときわ異彩を放つ、27歳の超個性派女性シンガー

2016.08.15

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今年の〈SUMMER SONIC 2016〉に出演するアーティストの中でひときわ異彩を放っているのが、女性シンガー・ソングライター〈エル・キング〉。勝気なルックスと豊満な身躯からしてすでにインパクト大だが、その音楽も実にユニーク──たとえば「アタシの身体を忘れられない元カレたちが、オバケのように湧いてくる」とビッチを気取った「Ex’s & Oh’s」はこんな曲だ。


1989年7月にロスアンジェルスに生まれた、エル・キング。『サタデー・ナイト・ライブ』出身のコメディアン=ロブ・シュナイダーと、元モデルのロンドン・キングとの間に誕生したが、幼くして両親は離婚。母方についた彼女が音楽への道を歩むきっかけとなったのは、母の再婚相手だった。9歳の誕生日に義父からプレゼントされたのは、ガールズ・パンク・バンド〈ザ・ドナス〉の1stアルバム。「そのCDを初めて聴いた時からすべてが変わった。ロックンロールをプレイする女の子に絶対なりたいと思った」と彼女自身も振り返っているが、そこからザ・ランナウェイズやブロンディなどを聴くようになり、ロックやR&B、ブルース、カントリーへと興味を広げていった。

13歳からギターをはじめ、しばらくしてハンク・ウィリアムスやアール・スクラグスの影響でバンジョーも演奏するようになるのだが、弾き語りでストリート・バスキングをしているうちに、バンジョーをカントリーやブルーグラスのマナーにこだわらず、ひとつの楽器として演奏してもいいのだと閃いたという。現在こそ多岐にわたるサウンドに彩られている彼女の音楽だが、今も多くの楽曲でバンジョーがフィーチャーされていて、エル・キングの音楽の個性のひとつとなっている。


2012年にデビュー作『The Elle King EP』をリリース。エスクワイアなどのメディアかも絶賛され、その反響を受けてエド・シーランやトレイン、オブ・モンスターズ・アンド・メンのツアーに同行するなど、大きな注目を集める。


この度日本盤がリリースされるデビュー・アルバム『Love Stuff』は、ジェフ・バスカー(ファン、カニエ・ウエスト)、エグ・ホワイト(アデル、サム・スミス)、ジャックナイフ・リー(R.E.M., U2)といった売れっ子プロデューサーが名を連ねる他、ゲスト・ミュージシャンとしてブルーノ・マーズをフィーチャーした「Uptwon Funk」のヒットも記憶に新しいマーク・ロンソンや、ザ・ブラック・キーズのパトリック・カーニーがゲスト参加。彼女のルーツであるロックンロールやブルース、カントリーなどを基軸にしながらも、ブルースやカントリーのバックボーンを窺えるロックンロールでありながら、ヒップホップ~オルタナティヴを通過したラフなサウンドが印象的。


「誰にでも愛される優等生の女じゃないの」と世間に唾を吐く「America’s sweetheart」や、辛い失恋から生まれたという「I Told You I Was Mean」など、感情をむき出しにしたようなリリックと個性的な歌声が強烈な印象を残すが、一方でポップなメロディセンスや、テイラー・スウィフトあたりに通じるキャッチーさが見事に同居していて、音楽的な冒険心を随所に感じさせる傑作に仕上がった。

現在27歳のエル・キング。彼女の嗄れた歌声やすれっからしな詞の内容から、ジャニス・ジョプリンやエイミー・ワインハウスを連想する人も多いかもしれない。ジャニスやエイミーが叶えられなかった「27歳の先にある歌」をエル・キングがいかに描いていくのか。興味深く見守っていきたい。

エル・キング『Love Stuff』

エル・キング
『Love Stuff』

(ソニーミュージック)

  • iTunes
  • Amazon


  • *日本国内盤にはボーナス・トラックとして『The Elle King EP』全曲収録。


Elle King official website
http://www.elleking.com/
http://www.sonymusic.co.jp/artist/elleking/


SUMMER SONIC 2016
2016年8月20・21日(土・日)

東京会場:千葉・幕張 QVCマリンフィールド&幕張メッセ
大阪会場:大阪・舞洲 サマーソニック大阪特設会場
*エル・キングの出演は20日(土)OSAKA・OCEAN STAGE/21日(日)TOKYO・MARINE STAGE
http://www.summersonic.com/2016/


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