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「TAP the COLOR」連載第88回
6月23日、画家/イラストレーターの長岡秀星氏が心筋梗塞のため亡くなりました。享年78。ロックファンにはレコードジャケットのアートワークでも馴染みの深い方でした。一度見たら忘れられない世界。音楽と共に壮大な夢と旅をありがとうございました。安らかにおやすみください。
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アース・ウインド・アンド・ファイアー『All ‘n All』(1977)
大阪万博の仕事などを経て、1970年に渡米してハリウッドに自身のスタジオを設立した長岡秀星は、アルバムカバーや映画広告といった仕事を手掛けていく。「一人で絵を描くという孤独な作業を続けていた頃、西海岸に住んでいたお陰で私はモーリスと出会い、その後何作も共同作業をして素人なりに無我夢中で自分の意見を述べたり、またEW&Fが出掛けていった世界の隅々から同時に返ってくる大きなうねりのような反響に心底驚かされたりもしました」。EW&Fとの最初の仕事が本作だった。
The Art of Shusei Nagaoka
エレクトリック・ライト・オーケストラ『Out of the Blue』(1977)
ジェフ・リンのポップセンスが音楽シーンを魅了していた頃のバンドの最高傑作。1970年代半ば〜80年代前半にかけてヒット曲を連発。「Sweet Talkin’ Woman」などストリングスが絡む甘く切ない曲調はELOの独壇場。色鮮やかなジャケットは、デザイナーのジョン・コッシュと長岡秀星によるもの。
カーペンターズ『Now & Then』(1973)
日本でも大ヒットしたカーペンターズ5枚目のアルバム。余りにも有名な代名詞的作品「Yesterday Once More」や子供番組『セサミ・ストリート』で挿入された「Sing」などを収録。カーペンターズの世界観が見事に描かれたアルバムジャケットの風景に夢を見る。
ジェファーソン・スターシップ『Spitfire』(1976)
ジェファーソン・スターシップとしての3作目。真っ先にアルバムジャケットの画に目を奪われる作品でもある。「星船」の文字を見るだけでも、この作品が持つ魅力が伝わってくる。バンドの最高傑作の一つして、今でも評されることが多い。
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