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「TAP the COLOR」連載第28回
ブルースとは何か? レゲエとは何か? カントリーとは何か? シンガーとは何か? 今もロマンの中で生き続ける名盤には、そんな問い掛けに対する答えが満ち溢れている。彼らは苦悩しながら社会のシステムと闘い、孤独と暗闇の中で人を愛しただけなのだ。
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ロバート・ジョンソン『King of the Delta Blues Singers』(1961)*録音は1936〜37
ブルースとは何か?が体験できる1枚。クロスロードで悪魔と取引、女のトラブルで毒殺といった伝説がネタになる人だが、ストーンズのブライアン・ジョーンズは最初に耳にした時、ギター奏者は二人だと思い込んでいたという。ロバジョンは音楽ファンのロマンであり続ける。
ザ・ウェイラーズ『Burnin’』(1973)
こちらも永遠のロマン。ジャマイカから世界へと放たれたボブ・マーリィ、バニー・ウェイラー、ピーター・トッシュらによるウェイラーズ、そしてレベル・ミュージックであるレゲエ。彼らがいなければ、ミュージシャンたちが第三世界音楽の扉を叩くことはなかった。
ウェイロン・ジェニングス&ウィリー・ネルソン『Wanted! The Outlaws』(1976)
「アウトロー・カントリー」と呼ばれるシーンが1970年代半ばに確立。保守的なナッシュビルに反旗を立てたミュージシャンたちが、新たな拠点テキサス州オースティンに集まり始めた。ウィリーとウェイロンが中心となった本作は、自由と孤独を貫くアウトローの道標となった。
エヴァ・キャシディ『Songbird』(1998)
アメリカでほぼ無名のシンガーの編集盤が、2001年にイギリスのチャートで突如1位を獲得してベストセラーになる。ラジオで流れた歌声がきっかけだった。しかし、エヴァは1996年にすでに33歳で亡くなっていた。スタンダードナンバーの「枯葉」に深く胸打たれる。
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