これが本当の80年代洋楽ヒット・第15回
80年代の洋楽をまとめたネットコンテンツやラジオ番組や雑誌には、いつもお決まりのアーティストやヒット曲だけがラインナップされている。それは同時代のコンピレーションがリリースされても同じこと。今回の企画はそんなありきたりの選曲ではなく、聴くだけで(観るだけで)「ああ! いた!! あった!!」と歓喜するようなアーティストやヒット曲を思いつくままに集めてみた。題して「これが本当の80年代サウンド」。そろそろマドンナやマイケル・ジャクソンの呪縛から解放されよう。ドライブや通勤タイム、懐かしの音源探しに活躍すること間違いなし。(選曲/中野充浩)
エリック・カルメン「I Wanna Hear It from Your Lips」(1985年/全米35位)
ラズベリーズのメンバーとして人気を博し、ソロ活動へ。1976年に、ラフマニノフの曲をモチーフにした「オール・バイ・マイセルフ」「恋にノータッチ」で大ヒットを飛ばしたエリック・カルメン。その後、長い低迷期間を経て、映画『ダーティ・ダンシング』のサントラ収録「ハングリー・アイズ」(1987年/4位)で復活。この曲はMTV時代にリリースした最初のシングルで、トップ40ヒットとなった。いかにもエイティーズな雰囲気を漂わせるビデオクリップがいい。
アウトフィールド「Your Love」(1986年/全米6位)
トリオ編成だけでなく、そのサウンドやヴォーカルなど、ポリスにそっくりということで話題になった。当初からアメリカ市場を意識していたそう。80年代英国には彼らのような良質なパワーポップバンドが充実していた。デビュー作『Play Deep』からは、「All the Love in the World」(全米19位)もヒット。
マシュー・ワイルダー「Break My Stride」(1983年/全米5位)
AOR界隈でソングライターやバックコーラスとして活動するものの、ソロとしてのキャリアはまったく鳴かず飛ばず。ところが、いきなりこの曲がヒットしてその名が知れ渡った。MTVのおかげかと思いきや、ビデオクリップは制作されず。そして一発屋的に忘れられていくと思いきや、今度はプロデューサーとして大ヒットを飛ばす。1000万枚以上をセールスしたノー・ダウトの『Tragic Kingdom』(1995)に、マシュー・ワイルダーの名を見つけた時の驚き。
アラナ・マイルズ「Black Velvet」(1989年/全米1位)
1989年や1990年のヒットチャートといえば、ダンス系やポップ系が全盛期。そんな中、渋いブルーズ系ロックが、しかもNo. 1ヒットになったのは新鮮だった。89年のボニー・レイットの大ブレイクを機に、この種の音が再評価されたことも大きい。カナダ出身のアラナ・マイルズはヒットは連発しなかったが、今でも聴けるカッコよさ。
シャラマー「A Night to Remember」(1982年/全米44位)
80年代のソウルシーンの中で、大きな足跡を残したのが西海岸のSOLORレーベルだった。Sounds Of Los Angels Recordsの略。女性1人を含む3人組のシャラマーのほか、ウィスパーズ、レイクサイド、ミッドナイト・スターらが所属。シャラマーの女性とは、ジョディ・ワトリーはソロへ転向。87年から89年にかけてヒットを蓮発した。
インフォメーション・ソサエティ「What’s on Your Mind (Pure Energy)」(1988年/全米3位)
80年代のプレイリストを作ろうとする時、ダンス・ユニットの存在は見逃せない。瞬発的なヒットの引き換えとして、記憶から忘れ去られるのも早い。がゆえにリアル・エイティーズなのだ。ユニット名など覚えていないにも関わらず、曲と音を聴けば、すぐにあの頃へと時が遡っていく。これもその一つ。
ムーディ・ブルース「Your Wildest Dreams」(1986年/全米9位)
60年代に英国のR&Bバンドとしてヒットを放ち、その後はプログレ・バンドとしてヒット・アルバムを積み重ね、80年代にはすでにベテラン大御所バンドとなっていたムーディ・ブルース。時はMTV全盛の何もかもポップな時代。彼らも時代に合わせてポップ・ヒットを放った。あの頃は深夜のMTVで、10代の音楽ファンがこのようなバンドの存在を知ることができた。
ロイ・オービソン「Life Fades Away」(1987年)
それまでの栄光が嘘だったかのように60年代後半からはヒットも一切出ず、長い不遇の時代を送っていたビッグ・オーこと、ロイ・オービソン。しかし、再評価の流れはゆっくりと静かに起こり、1987年にはロックンロールの殿堂入り。さらにグレイテスト・ヒッツ・ライブを披露してシーンの前線に復帰。同年には映画『レス・ザン・ゼロ』にエンディング曲「Life Fades Away」を提供して、若い世代にもその哀切な歌声の儚さは伝わることになった。
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【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
https://www.wildflowers.jp/profile/
http://www.tapthepop.net/author/nakano

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