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これが本当の80年代サウンド⑨〜忘れられたヒット曲にもう一度スポットライトを

2019.11.22

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80年代の洋楽をまとめたネットコンテンツやラジオ番組や雑誌には、いつもお決まりのアーティストやヒット曲だけがラインナップされている。それは同時代のコンピレーションがリリースされても同じこと。今回の企画はそんなありきたりの選曲ではなく、聞くだけで(観るだけで)「ああ! いた!! あった!!」と歓喜するようなアーティストやヒット曲を思いつくままに集めてみた。題して「これが本当の80年代サウンド」。そろそろマドンナやマイケル・ジャクソンの呪縛から解放されよう。ドライブや通勤タイム、懐かしの音源探しに活躍すること間違いなし。(選曲/中野充浩)

ビッグ・オーディオ・ダイナマイト「C’mon Every Beatbox」(1986年・全英51位)
ザ・クラッシュを脱退したギタリスト、ミック・ジョーンズの新たな出発となったBAD。ヒップホップやハウス等を取り入れた最先端のアプローチは、偉大なバンドの幻影に囚われずに自らを成長させていくパンクの精神そのものだった。1985年にファーストをリリース。これはジョー・ストラマーとの共同プロデュース、ソングライティングが話題になったセカンドからのシングル。


ジェフ・ヒーリー・バンド「Angel Eyes」(1989年・全米5位)
カナダ出身の盲目ギタリストが放ったヒット。ブルーズやジャズに影響を受けた渋いルーツロックを聴かせる。膝上にギターを置き、弦を押さえながらの特殊な奏法で、本物志向のファンに支えられ活動を続けた。ジェフは病と闘いながら2008年に41歳で死去。


マイケル・ダミアン「Rock On」(1989年・全米1位)
人気若手俳優による忘れられたナンバーワン・ヒット。と聞けば、少し前のジャック・ワグナーの「All I Need」なんかを思い出す人もいるはず。この曲はイギリスのデヴィッド・エセックスのカバー。こちらは1973年にビルボードチャートで5位まで上昇。ダミアンのバージョンも今聴いてみると、かなりカッコイイ。


ブリーズ「Hands to Heaven」(1987年・全米2位)
これも記憶してる人は少ないはず。イギリス出身のポップバンドが放ったバラード・ヒット。同時期のカッティング・クルーもそうだが、何とも言えない切ないムードが80年代の風景や空気感を漂わせてくる。これはずばり名曲だ。他に「How Can I Fall?」(全米3位)や「Don’t Tell Me Lies」(全米10位)のヒットがある。


ウィル・トゥ・パワー「Baby, I Love Your Way/Freebird Medley」
(1988年・全米1位)

ボブ・ローゼンバーグによるダンス・ユニットが放ったナンバーワン・ヒット。ピーター・フランプトンとレイナード・スキナードのヒット曲をマッシュアップするセンスに完全にやられた。ちなみに90年には、10ccの「I’m Not in Love」でもトップ10ヒットを記録している。今聴くと涙が出てくるほど懐かしい。


クラブ・ヌーヴォー「Lean on Me」(1987年・全米1位)
ジェイ・キングによるR&B系ダンス・ユニット。ビル・ウィザースの名曲をファンク/ゴーゴー/レゲエ風味でカバーして、チャートのトップに立った。先ほどのウィル・トゥ・パワーはこのアプローチにヒントを得たはずだ。いわゆる一発屋だが、1987年のサウンドトラックを語る時は外せない。


リサ・リサ&カルト・ジャム「Head to Toe」(1987年・全米1位)
ヒスパニック系のR&Bグループ。86年にバラード「All Cried Out」がトップ10ヒットし、翌年にはこの曲と「Lost in Emotion」が立て続けにナンバーワンに。モータウン系ノーザン・ソウル(特にシュープリームス)のような親しみやさを感じた。一気に時代の最先端に躍り出た彼ら。プロデュースはフル・フォースと聞けば納得。80’sサウンドトラックを編集する際はこのグループを絶対にお忘れなく。


グレゴリー・アボット「Shake You Down」(1986年・全米1位)
これは名曲でしょう。NY出身のR&Bアーティスト。聴くだけで80年代の風がそっと吹いてくる。これは音楽を通じた一つの体験だ。とにかくサビの部分がたまらない。晩年のマーヴィン・ゲイあたりを彷彿とさせる極上のアーバン・ソウル。このヒット曲を受けて1987年に東京音楽祭のために来日した。


アラン・パーソンズ・プロジェクト「Don’t Answer Me」(1984年・全米15位)
これはいつか紹介したかった曲。何度でも繰り返し聴ける夢のような名曲。アメコミ系ハードボイルドなMVも観ているだけで泣かせるが、やはり楽曲の持つチカラがあってこそ。もちろんフィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドへのオマージュ。80年代を聴きながら60年代も感じてしまう。まさにスタジオワークを愛する職人技。


パート10に続く。

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