「本物の音楽」が持つ“繋がり”や“物語”を毎日コラム配信

TAP the POP

Extra便

これが本当の80年代サウンド⑧〜忘れられた洋楽ヒットにもう一度スポットライトを

2023.01.29

Pocket
LINEで送る

これが本当の80年代洋楽ヒット・第8回


80年代の洋楽をまとめたネットコンテンツやラジオ番組や雑誌には、いつもお決まりのアーティストやヒット曲だけがラインナップされている。それは同時代のコンピレーションがリリースされても同じこと。今回の企画はそんなありきたりの選曲ではなく、聴くだけで(観るだけで)「ああ! いた!! あった!!」と歓喜するようなアーティストやヒット曲を思いつくままに集めてみた。題して「これが本当の80年代サウンド」。そろそろマドンナやマイケル・ジャクソンの呪縛から解放されよう。ドライブや通勤タイム、懐かしの音源探しに活躍すること間違いなし。(選曲/中野充浩)

カウボーイ・ジャンキーズ「Misguided Angel」(1988年)
タイトル通り、トロントのホーリー・トリニティ教会での録音セッションの模様を伝えた『The Trinity Session』からのシングルカット。このアルバムは1988年当初は自身のレーベルからインディーリリース。その後メジャーのRCAによって再発されてベストセラーになった。ハンク・ウィリアムスやヴェルヴェット・アンダーグラウンドのカバーも収録。2017年に来日公演を行ったことも記憶に新しい。


ザ・ウォーターボーイズ「Fisherman’s Blues」(1988年・全英32位)
スコットランド出身のロックバンド。代表作は何と言ってもアイルランド音楽に傾倒した『Fisherman’s Blues』。土地の風景や匂いや風が全編に漂う名盤。中心人物のマイク・スコットは2016年、アーティストのろくでなし子こと五十嵐恵と結婚したことでも話題に。現在も精力的に活動中だ。


エディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズ「What I Am」(1988年・全米7位)
引き続き1988年から。こちらはテキサス州ダラス出身のオルタナ系バンド。デビュー作の『Shooting Rubberbands at the Stars』(邦題『星に輪ゴムを』)からのナンバー。アルバムジャケットのイラストはブリケルによるもの。彼女は1992年にポール・サイモンと結婚した。不思議な魅力を持った楽曲だ。


デニス・デ・ヤング「Desert Moon」(1984年・全米10位)
80年代は有名バンドのメンバーのソロ活動が目立った時期。中でも84年は豊作でスティクスの中心人物デニス・デ・ヤングやトミー・ショウもソロアルバムを発表。デニスはもこのバラードをヒットさせた。当時MTVで頻繁に流れていたことを思い出す。今聴いても名曲。強烈なノスタルジーを感じる。


クラウデッド・ハウス「Don’t Dream It’s Over」(1986年・全米2位)
スプリット・エンズの元メンバーらが結成したオーストラリア出身のロックバンド。非常にクオリテイの高い楽曲が並ぶ中、デビューアルバムからシングルカットされたこの曲や「Something So Strong」大ヒット。快晴の空の下で繰り返し聴いていたい曲だ。80年代はメン・アット・ワークやインエクセスなど、オーストラリア勢が活躍した時期でもあった。


F.R.デヴィッド「Words」(1982年・全米62位)
チュニジア生まれのフランス在住歌手のビッグヒット。アメリカではトップ40にも入らなかったが、欧州を中心に親しまれた曲。当時日本でもFMからよく流れており、洋楽初心者としては耳に残るメロディが心地よかった。


マイク・アンド・ザ・メカニックス「The Living Years」(1989年・全米1位)
ジェネシスのマイク・ラザフォードによるプロジェクト。フィル・コリンズやピーター・ガブリエルらが大成功を収める中、彼もこの曲でチャートのトップに立った。亡き父親とコミュニケーションを取れなかった息子の後悔を、聖歌隊のコーラスが優しく包みあげた大名曲。まさに80年代の最後を飾るに相応しい。


トンプソン・ツインズ「Doctor! Doctor!」(1984年・全米11位)
80年代前半〜半ばに起こった第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン。MTVの影響もあり、ヴィジュアル性の高いアーティストが続々とヒットを飛ばしたが、彼らもそんな一組。アルバム『Into the Gap』からのシングルカット。もちろん代表曲「Hold Me Now」も収録。


オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク「If You Leave」(1986年・全米4位)
なかなか言いづらいバンド名は「OMD」と略された。ブレット・イーストン・エリスの1985年のベストセラー小説『レス・ザン・ゼロ』には英国のアーティストの楽曲が大量に描写されていたが、アメリカのティーンにとって英国のポップバンドは最先端でオシャレな存在だった。ジョン・ヒューズ青春映画の最高傑作と称される『プリティ・イン・ピンク』で印象的に使われていたのがこの曲。








パート1はこちらから。
パート2はこちらから。
パート3はこちらから。
パート4はこちらから。
パート5はこちらから。
パート6はこちらから。
パート7はこちらから。
パート8はこちらから。
パート9はこちらから。
パート10はこちらから。
パート11はこちらから。
パート12はこちらから。
パート13はこちらから。
パート14はこちらから。

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
https://www.wildflowers.jp/profile/
http://www.tapthepop.net/author/nakano
■仕事の依頼・相談、取材・出演に関するお問い合わせ
https://www.wildflowers.jp/contact/

Pocket
LINEで送る

あなたにおすすめ

関連するコラム

[Extra便]の最新コラム

SNSでも配信中

Pagetop ↑

トップページへ