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これが本当の80年代サウンド⑫〜忘れられた洋楽ヒットにもう一度スポットライトを

2023.02.11

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これが本当の80年代洋楽ヒット・第12回


80年代の洋楽をまとめたネットコンテンツやラジオ番組や雑誌には、いつもお決まりのアーティストやヒット曲だけがラインナップされている。それは同時代のコンピレーションがリリースされても同じこと。今回の企画はそんなありきたりの選曲ではなく、聴くだけで(観るだけで)「ああ! いた!! あった!!」と歓喜するようなアーティストやヒット曲を思いつくままに集めてみた。題して「これが本当の80年代サウンド」。そろそろマドンナやマイケル・ジャクソンの呪縛から解放されよう。ドライブや通勤タイム、懐かしの音源探しに活躍すること間違いなし。(選曲/中野充浩)

シャカタク「Night Birds」(1982年/全英9位)
1980年代初期、日本でも大ブームとなったシャカタク。個人的な話だが、中学生になって仲良くなった音楽一家の友人がいて、彼が『Night Birds』や『Invitations』のレコードを貸してくれたことがある。それまでベストテンの歌謡曲しか知らなかった12歳には随分と「都会的な大人の音楽」に聴こえたものだ。日本のトレンディドラマの草分け『男女7人夏物語』(1986年)にもシャカタクの音楽は全編に使用されていた。今聴くと、かなりいい。


パット・ベネター「We Belong」(1984年/全米5位)
パット・ベネターといえば、全米の白人ティーンガールに「パット・ベネター・ルック」を広めた(このあたりはキャメロン・クロウが原作・脚本を担当した映画『初体験リッジモント・ハイ』を観ればすぐに分かる)ことでも知られるロックシンガー。1979年のデビューアルバムから連続6作でプラチナディスクを獲得。本作もMTVなどで頻繁に流れていた。


フリーダ「I Know There’s Something Going On」(1982年/全米13位)
フリーダことアンニ=フリッド・リングスタッドはアバの女性ヴォーカリストの一人。この曲はアバが解散した1982年にリリース。英語で歌った初めてのソロアルバムからのシングルカットで世界規模でヒットした。プロデュースは80年代サウンドの王道を創り上げたと言っても過言ではないヒュー・パジャムとフィル・コリンズ。


38 Special「If I’d Been the One」(1983年/全米19位)
事故死したレイナード・スキナードのロニー・ヴァン・ザントの弟、ドニー・ヴァン・ザントを中心としたサザンロック・バンド。70年代後半から80年代前半にプラチナディスクを連発した。日本では知名度は低いが、アメリカでは根強い人気を誇る。忘れられたヒットとはまさにこういう曲のことだろう。


ローラ・ブラニガン「How Am I Supposed to Live Without You」(1983年/全米12位)
このアルバムがリリースされた1983年当時、タワーレコードの新譜棚にこちらを見て微笑む美女の顔が並べられているのを見て、人知れずワクワクしたのを覚えている。「Gloria」「Solitaire」「Self Control」などのトップ10ヒットを放った彼女だが、この曲も代表曲の一つ。この80年代の名曲を書いたのは当時売れない歌手だったマイケル・ボルトン。


マイケル・ボルトン「How Am I Supposed to Live Without You」(1989年/全米1位)
こちらはマイケル・ボルトンのセルフカバー。やはり曲を書いた本人が歌うと、本来伝えたかったであろう感情や風景がはっきりしてくる。何度も言うがこれは愛の名曲だ。ボルトンはこの曲が収録された『Soul Provider』で遂にブレイクを果たし、90年代はバラードの帝王として君臨。メガヒットを量産した。だが、売れない歌手がスターになるという意味ではこの頃が最も感動的だった。


シーラ・E「The Belle of St. Mark」(1984年/全米34位)
プリンス・ファミリーの一員だったシーラ・E。84年にプリンスが『Purple Rain』で世界の頂点に立った時期にデビュー。いきなりプリンス作の「The Glamorous Life」が全米7位のヒットを記録する。この曲はアルバムの冒頭に収められたセカンドシングル。一度耳にしただけで、これがすぐにプリンスの曲とプロデュースだと分かる。当たり前のようで実は凄いこと。何度も繰り返し聴きたくなる魔術的な魅力を持った名曲だ。


デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ「Come On Eileen」(1982年/全米1位)
ケビン・ローランド率いるアイルランド系バンドが放った大ヒット曲。決して忘れられたわけではないが、さすがに最近は耳にしない。アメリカでは一発屋扱いだが、イギリスでは他に「Geno」「There, There, My Dear」「Jackie Wilson Said (I’m in Heaven When You Smile)」などヒット多数。TAP the POPでも特集しているが、アイルランド系が音楽に果たした役割は計り知れない。








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【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
https://www.wildflowers.jp/profile/
http://www.tapthepop.net/author/nakano
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