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これが本当の80年代サウンド⑥〜忘れられた洋楽ヒットにもう一度スポットライトを

2023.01.27

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これが本当の80年代洋楽ヒット・第6回


80年代の洋楽をまとめたネットコンテンツやラジオ番組や雑誌には、いつもお決まりのアーティストやヒット曲だけがラインナップされている。それは同時代のコンピレーションがリリースされても同じこと。今回の企画はそんなありきたりの選曲ではなく、聴くだけで(観るだけで)「ああ! いた!! あった!!」と歓喜するようなアーティストやヒット曲を思いつくままに集めてみた。題して「これが本当の80年代サウンド」。そろそろマドンナやマイケル・ジャクソンの呪縛から解放されよう。ドライブや通勤タイム、懐かしの音源探しに活躍すること間違いなし。(選曲/中野充浩)

アラーム「68 Guns」(1983年・全英17位)
アイルランドのU2と比較されることもあったウェールズ出身の硬派ロックバンド。1983年にEP『The Alarm』でデビュー。翌年には代表作の一つ『Declaration』をリリース。収録された「68 Guns」がヒット。アルバムは長年入手困難だったが、最近になって無事再発。久しぶりに聴くと胸が熱くなった。


スミザリーンズ「Strangers When We Meet」(1987年)
ニュージャージー出身のバンド。インディーズシーン/カレッジチャートから飛び出し、この美しい曲を含むアルバム『Especially for You』で1986年にデビュー。R.E.M.が切り拓いた次世代のロックとして期待された。バンドのフロントマンであり、ソングライターのパット・ディニジオは、2017年12月に62歳で亡くなった。


マレー・ヘッド「One Night in Bangkok」(1984年・全米3位)
ABBAのビョルン・ウルヴァースとベニー・アンダーソンが作曲、ティム・ライスが作詞を担当したミュージカル『チェス』の上演に伴ってリリースされたコンセプトアルバムに収録されていたナンバー。マレー・ヘッドは、1970年のロックミュージカル『ジーザス・クライスト・スーパースター』で「Superstar」を歌っていた人。


ファルコ「Rock Me Amadeus」(1985年・全米1位)
瞬発的に大ヒットしたアメリカ以外の曲の中でもこれは有名。オーストリアのウィーン出身のこのアーティスト名を忘れていても、曲を聴けばなぜか一発で思い出す。前年にアメリカでは映画『アマデウス』がアカデミー賞作品賞に輝き、モーツァルト人気が再燃していたこともヒットに作用した。ちなみにファルコには「Der Kommissar」のヒットもある。


アニモーション「Obsession」(1984年・全米6位)
カリフォルニア出身のダンスポップ・バンド。こういう曲を聴くと強烈な80年代の体臭や風景が甦ってくる。アルバムジャケットのデザインもまさにエイティーズ。アニモーションは89年にも「Room to Move」で再びトップ10ヒットを記録。


ジェーン・ウィードリン「Rush Hour」(1988年・全米9位)
ゴーゴーズのギタリストだったジェーンはバンド脱退後、1985年に初ソロ作をリリース。しかし売り上げや評価も低く、同じくソロ活動に入ったベリンダ・カーライルに先を越されてしまう。この曲はセカンドからのカットで、口ずさみやすいポップな曲調で堂々のトップ10入り。


ジグ・ジグ・スパトニック「Love Missile F1-11」(1986年・全英3位)
これは覚えています。80年代に吹いた風の中でも猛威をふるったのがこのジグ・ジグ・スパトニック。15億円もの破格の金額でレコード会社と契約。ジェネレーションXのベーシストだったトニー・ジェイムスを中心に未来のサウンドを届けるという。アルバムジャケットには意味不明の日本語も登場。期待値マックス。で、耳にしたのがこれ。これぞグレイト・ロックンロール・スウィンドル。


スティーヴン・ビショップ「It Might Be You」(1983年・全米25位)
AOR関連では絶対に外せないソングライター。という意味で70年代の尻尾のようなサウンドだが、ダスティン・ホフマン主演の大ヒット映画『トッツィー』の主題歌としてヒット。日本のFMでも頻繁に流れていた。80年代サントラブーム元年を象徴する1曲。


カーリー・サイモン「Let the River Run」(1989年・全米49位)
続いても映画絡み。これは隠れた名曲。都市で働く女性の活躍を描いた『ワーキング・ウーマン』のサントラとして知られ、アカデミー歌曲賞を受賞した。チャート的にはトップ40入りもしていないが、89年という音楽シーンの世代交代が著しかった頃の影響か。ビデオクリップの出来もシンプルで力強い。








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【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
https://www.wildflowers.jp/profile/
http://www.tapthepop.net/author/nakano
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