メンバーが変わることなく続いているバンドはどれくらい存在するだろうか。
大半はバンドへの不平不満やメンバー間の仲違いなど、様々な理由によってメンバーが脱退したり、あるいは解散という結果に至ってしまう。
オリジナル・メンバーのままバンドがずっと続いてほしいというのは多くのファンが願うところだが、現実には極めて稀なことである。
それでもR.E.M.は1980年の結成以来、メンバーが変わることなく同じ方向に向かって進み続けたバンドの1つだ。
「もし1人でもバンドを去ったら、このバンドは消滅するだろう」というほど、メンバー間の結束は強かった。
しかし、思いもかけない出来事によってR.E.M.もまた、17年続いた関係性に1つのピリオドを打つことになる。
ターニングポイントになったのは1995年3月1日、その日はスイスでの公演だった。
前年の9月に9枚目のアルバム『Monster』をリリースしたR.E.M.は、4年ぶりとなるツアーをスタートさせ、エキサイティングな演奏で世界各地を沸かせていた。
スイスでのステージも順調に進み、セットリストが後半に差し掛かった頃だった。
突然、ドラムのビル・ベリーが激しい頭痛に襲われて倒れる。
医師による診断結果は脳動脈瘤、脳の血管にコブが出来る病気で、破裂すれば命を落とす恐れもある危険な状態だった。
幸いにも手術は無事に成功し、ベリーはすぐに回復してバンドに復帰、中断していたツアーも5月から再開となる。
このとき死を目の当たりにしたベリーは、残りの人生をバンドに費やしていいのか病院のベッドで考えたという。そして近いうちにバンドとは違う人生をスタートさせようと心に決める。
バンドを襲う健康面のトラブルはこれで終わらず、7月にはベースのマイク・ミルズが腸管癒着症の手術でツアーを中断、8月にはフロントマンのマイケル・スタイプがヘルニアを発症して緊急手術となった。
ツアーの疲労も重なってメンバーは満身創痍だったが、それでもパフォーマンスが衰えることはなく、バンドは無事にツアーの最終地点アトランタに辿り着く。
そこで催された最後の3公演はフィルムに残され、翌年にドキュメンタリー作品『Road Movie』としてリリースされた。
そして1997年、ついにR.E.M.はドラムのビル・ベリーが脱退することを発表する。
ベリーが辞めるならバンドも解散させようという意見も出たが、ベリーの強い希望によってR.E.M.は残された3人によって活動を続けることを決めた。
結果として、『Road Movie』は4人でのR.E.M.による最後のツアーを収めた作品となったが、そこでは4人が一体となった渾身のパフォーマンスを観ることができる。

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