「ロックンロールよりも激しいジャズ、なんならパンク・ロックよりも激しいジャズがあってもいいんじゃないか?――プレイヤーみんなが暴れ狂ってるような、綺麗だけど暴力的な感じを打ち出したかった」(伊藤隆郎/ドラムス *bounce 2016年9月号より抜粋)
〈TRI4TH〉は、ドラムスの伊藤隆郎とトランペットの織田祐亮を中心に、2006年に結成された。伊藤は過去にロックンロール・バンド〈THE VICKERS〉や冷牟田竜之率いるスカ・バンド〈THE MAN〉のメンバーとしても活動し、織田はジャズ以外にもSMAPやいきものがかりから、八代亜紀、カジヒデキ、中山うりなどのサポート・ミュージシャンとしても活躍。さらにサックスの藤田淳之介はクラシック畑のサックス奏者としてメジャー・デビューした経験を持つ他、ピアノの竹内大輔と、ベースの関谷友貴もそれぞれ自身のリーダー・アルバムを発表済みという、たしかな実力と確固たる個性を兼ね備えたプレイヤーたちが揃ったジャズ・クィンテットなのだ。
2009年に須永辰緒のプロデュースによる12インチでデビューした彼らは、〈踊れるジャズ〉というコンセプトのもと、かしこまったようなジャズのイメージから逸脱したダンサブルな楽曲で支持を集めてきた。2015年には現在のレーベル〈Playwright〉に移籍。fox capture planなど新たなジャズのカタチを模索する同世代バンドたちが所属するレーベルでさらなる刺激を受けたTRI4THは、4作目のアルバム『AWAKENING』、再録音によるベスト盤『MEANING』を立て続けに制作する中で、ビートやリズムのダイナミズムや、ホーンをはじめとするバンド・サウンドの迫力を強化し、バンド・サウンドをさらにプリミティヴな方向へと舵を切った。
通算5枚目のオリジナル・アルバムとなる新作『Defying』は、TRI4THにとっての〈進化3部作〉の完結編であり、10年目を迎えたバンドのひとつの到達点ともいえる充実の一枚。冒頭に引用した伊藤の発言のとおり、パンク・ロックを超えるような先鋭さと、刺激的なサウンドの圧力を打ち出す一方で、彼らが10年間で育んできたメロディアスな側面はより豊かな美しさを湛える。またスカや四つ打ちのダンス・ビートを採用するなど、セオリーにとらわれない奔放なアイディアも存分に詰め込まれ、〈TRI4THのジャズ〉はますますオリジナルな存在感を研ぎ澄ましている。
official website
http://www.tri4th.com/
TRI4TH”Defying”Release party
9月30日(金)神奈川・横浜 モーション・ブルー・ヨコハマ
TRI4TH “Defying” Release Tour
10月7日(金)福岡・天神 graf
10月8日(土)広島・SUMATRA TIGER
10月28日(金)大阪・CONPASS
10月29日(土)名古屋・CLUB UPSET
11月20日(日)千葉・柏 café line
11月26日(土)長野・伊那グラムハウス
11月27日(日)宮城・仙台 spaceZero
2017年1月9日(祝)東京・代官山UNIT
詳細はofficial websiteをご参照ください。