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アウスゲイル──ビョークやシガー・ロスを凌ぐ存在となった、アイスランド出身シンガー・ソングライター

2017.11.07

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ビョークやシガー・ロス、ムームに代表される、美しく深淵な世界観を描く音楽家を輩出してきた、アイスランド。その北国からまた一人、若き才能が生まれた。

現在21歳になるアウスゲイルは、アイスランド北西部に位置するロイガルバッキの、人口40人余りの集落出身のシンガー・ソングライター。ミュージシャン一家に生まれ音楽に囲まれ育った彼も、いつからか自身で表現するようになる。

その才能が認められ、ビョークも所属するレーベル〈One Little Indian〉より、2012年9月に全編アイスランド語によるアルバム『Dyrd í dauðathogn』をリリースすると大ヒットとなり、アイスランド史上最速で売れた国内アーティストによるデビュー・アルバムを記録した。また、2013年にはアイスランド音楽賞「最優秀アルバム賞」を含む全4部門受賞するなど、一躍アイスランドを代表するミュージシャンに名を連ねるようになった。現在では、30万人と言われるアイスランドの全人口の、10人に1人が彼のアルバムを所有しているという。

国内でヒットした『Dyrd í dauðathogn』のリリース当時、レコーディングのためアイスランドに滞在していたのが、アメリカで活躍するシンガー・ソングライターであるジョン・グランド。彼がアウスゲイルの音楽に惚れ込み、自身のツアーのオープニングに起用。さらにはアイスランド語であったオリジナルを英訳し、ワールドワイド・ヴァージョンのアルバム『In The Silence』としてあらためてリリースされた。あたたかみのあるアコースティカルな響きに、艶かしいビートやドリーミーな電子音が絡みあう独特のサウンド。そこに美しくメランコリックなファルセットが溶けていく。幻想的なサウンドスケープが、世界中を包んでいった。

Asgeir_In The Silence HSE-60172
アウスゲイル『In the Silence』
Hostess Entertainment

2017年4月には待望のセカンド・アルバム『Afterglow』をリリース。ファーストで評価を確立させたメロディメイカーとしての実力と美しい歌声の魅力はそのままに、ヒップホップやR&Bからの影響も取り入れたサウンド・プロダクションを展開。表現の幅を大きく広げた充実のアルバムとなっている。同年7月にはフジロックにも出演し、ホワイトステージが満員になるほどに詰めかけたオーディエンスを、素晴らしいパフォーマンスで魅了した。そして11月、単独来日公演としては約2年ぶりとなるジャパン・ツアーを開催。今や本国アイスランドではビョークやシガー・ロスを凌ぐ人気を誇るというアウスゲイルの音楽を、この機会にじっくりと堪能したい。

Afterglow
アウスゲイル『Afterglow』デラックス・エディション
Hostess Entertainment


Hostess Club Presents Ásgeir
2017年11月9日(木)大阪・心斎橋Bigcat
2017年11月10日(金)東京・新木場Studio Coast
*詳細はÁsgeir 日本公式サイトを参照ください


*本コラムは2014年2月10日に初回公開された記事に加筆修正しました

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