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ボジョレーヌーヴォーを飲みながら、ビリー・ジョエルを

2014.11.20

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♪白のボトル、赤のボトル
 いや、それともロゼでもいいかな
 あの懐かしい店の
 通りに面した席を予約するから
 君とふたり、フェイス・トゥ・フェイスでね♪


「イントゥ・ワイン」というテレビ番組がやっているウェブサイトが、ワインにまつわる歌ベスト30を公開している。
見事、第1位に輝いたのは、ビリー・ジョエルの「イタリアン・レストランで」だ。
冒頭で紹介したのは、この曲の出だし部分なのだが、ビリーは2番の歌詞でも、引き続き、赤にするか、白にするか、の質問を繰り返す。

♪赤のボトル、白のボトル
 君の食欲次第だよ
 いつでも君のいい時に
 ふたりのイタリアン・レストランでね♪


ところでこの曲は、ビリーがビートルズの「アビーロード」にインスパイアされて書いた曲だ。曲の断片が万華鏡のようにきらめく、アルバムのB面(かつて、レコードにはA面とB面があったのです、若者たちよ)のように、これまで書いてきた曲の断片をはりつけたのだ。
その断片をつないでいるのが、赤?白?の部分なのである。

ビリーによれば、この台詞、実際、彼がイタリアン・レストランで耳にしたものだった。
それはカーネギーホール近く、ビリーのアルバム・タイトルにもなったニューヨーク57番街にあるフォンタナ・ディ・トレヴィというイタリア料理屋だ。

さて、歌の方は、そこから主人公が、しばらく会っていない彼女に対して自らの近況を語った後、長い長い思い出話が続く。
そして最後はまた、あのフレーズだ。

♪赤のボトル、白のボトル
 今夜の君のムード次第だよ
 いつでも君と
 あのイタリアン・レストランで♪


ビリーは歌の中で長い長い思い出話を語ったけれど、ボジョレー・ヌーヴォは新酒だ。
とりあえず、この1年を振り返りながら、好きな歌をバックにワイングラスを傾けることは悪くない。

Into Wine『Wine Songs: All-Time Top 30』(英語)



Billy Joel『Piano Man: The Very Best of Billy Joel』
Sony

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