フォークシンガー、高田渡がこの世を去って10年の月日が経つ。この10年で世の中は大きく動いたけれど、高田渡の歌は今も普遍的に響くどころか、より一層と強いメッセージを放っているように思えるのはなぜだろう。
少年時代からフォークソングに憧れを抱き、19歳でデビューを果たした高田渡。明治の演歌や現代詩から影響を受けた独自の表現を模索しながら全国各地を巡り、市井の人々の静かなる叫びや、かけがえのない暮らしの大切さを歌い続けてきた。56歳という若さで亡くなった後も、息子である高田漣をはじめ、若い世代のミュージシャンたちの多くが、今も彼のメッセージを受け継いでいる──TAP the POPでは、これまでに掲載した記事の中から高田渡について取り上げた記事を抜粋。彼の魅力にあらためて触れる特集をお届けします。
*この特集は2015年10月に初回公開されました。