街の歌

デトロイトメドレー〜B・スプリングスティーンが観客に呼びかける「心臓の弱い人は一旦会場から出てくれ!」その訳とは!?〜

2017.01.22

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ブラックミュージックファンなら“知らぬ者がいない”レーベルMotown Records 。そのモータウンサウンド発祥の地となったのが、アメリカのミシガン州南東部にある都市デトロイト。
南北をエリー湖とヒューロン湖に挟まれており、東はカナダのウィンザー市に接する都市だ。
その昔、デトロイト川沿いに毛皮商人たちが開いた街だったと言われている。
1899年に自動車産業が産声を上げ、1903年にヘンリー・フォードが“T型フォード”を作り一時代を築き上げた街でもあります。
後にゼネラルモーターズやクライスラーも誕生し、フォードモーターと合わせて「ビッグ3」と呼ばれアメリカ経済を牽引してきた。
一時期は“自動車の聖地”とまで呼ばれた街だったが…2013年に財政破綻を起こし現在は一転した姿となってしまっているという。
人口はピーク時の4割減、廃墟となった家屋は約8万件、警察に通報してもパトカーが到着するまで約1時間(全米平均は11分)という、まさに廃墟だ。
治安の悪さゆえに、今では「観光客は歩いてはいけない」とまで言われる街となった。

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かつて自動車工業が盛んだったデトロイトは、労働階級の黒人増加により目まぐるしく音楽文化が変化していった街でもある。
古くはモータウンを代表する Northern Soulの台頭、80年代は産業衰退とともにダークなデトロイトテクノが、90年代にはゲットーからデトロイトハウスが発生。
最も栄えることのないと思われていたヒップホップシーンにはエミネムが誕生。
地域社会が抱える問題をダイレクトに反映しながら、デトロイトのミュージックシーンは化学変化を繰り返し、現在では独自の世界を形成している。


ブルース・スプリングスティーンが、自身のコンサートのアンコールで十八番にしているメドレー曲がある。
通称「デトロイトメドレー」と呼ばれている楽曲(計4曲の組み合わせ)で、時期によっては別の曲が追加されて長尺版としても演奏されることもある。
このメドレーは、デトロイト出身のバンド、ミッチーライダー&デトロイトホイールがヒットさせたメドレー曲「DEVIL WITH THE BLUE DRESS&GOOD GOLLY MISS MOLLY(1と2の組み合せ)」と「JENNY TAKE A RIDE(3と4の組み合せ)」を核にしたものである。

1.DEVIL WITH THE BLUE DRESS(ショーティ・ロング)
2.GOOD GOLLY MISS MOLLY(リトル・リチャード)
3.C.C.RIDER(チャック・ウィリス)
4.JENNY JENNY(リトル・リチャード)  

ミッチーライッダーの影響を受けたボスが、時代とともに変化させてきた言わば“古き良きロックンロールへの讃歌”なのだ。
ライブでは4時間を越えるパフォーマンスのハイライトで披露され、ボスも汗だく、観客も踊りはしゃぐ姿が定番となっている。
観客の興奮を更なる高みまで力づくで引っ張り上げるために用意されているメドレーで、演奏途中にボスが呼びかける「心臓の弱い人は一旦会場から出てくれ!」というセリフに思わず納得してしまうほどの盛り上がりなのだ。


今回ご紹介した「デトロイトメドレー」とは、また別曲の組み合せによるメドレーパターンとなるが…
かつて行われた来日公演では、こんなMCから始まるメドレーで会場が大きく揺れたという。

「今日、このロックンロール教会に集まったみんなに是非、聞きたいことがあるんだ!ずっとずっと聞きたくて、どうしてもどうしても聞きたかったことがあるんだ!そう…本当にそうなのか、俺がずっと不安に思っていたそのこと…告白してくれるかい?そう、俺が聞きたかったってのは…(ちょっと間をおいて)What Do You Love Me!何で俺のことが好きなんだ?」




この「デトロイトメドレー」の世界観に近い(時期によっては同メドレーに追加されることもある)ボスがこれまでステージで取り上げてきた古典的なロックンロール、ブルース、R&B系の名曲をご紹介します♪






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