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フレディ・マーキュリーの生い立ち〜親元を離れて通った寄宿学校、12歳で結成したロックンロールバンド

2022.09.14

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1946年9月5日木曜日、彼は当時イギリスの保護国だったタンザニアにあるザンジバル島の国立病院で生まれた。
本名ファルーク・バルサラとしてこの世に降り立った。
彼の名字のバルサラは、インド南部のグジャラート州バルサードという町に由来するもの。
インド生まれの両親は、ペルシャ系インド人でゾロアスター教徒(パールシー)だった。
植民地政府のオフィスで会計係として働いていた彼の父親が、仕事を続けるために妻とザンジバル島に移ったのだ。
アフリカの東海岸沿いの赤道直下に浮かぶその島は、現在は欧州からのハネムーン客に人気のスポットとして知られる。
何世紀にも渡ってイギリス人、オランダ人、ポルトガル人、中国人、マレー人、アラブ人、ペルシャ人、インド人、エジプト人などから侵略を受けてきた場所でもある。
フレディにとって親戚(従姉妹)にあたるパルヴェーズ・ダルンカナワラは、当時のことを鮮明に憶えているという。

「フレディはちっちゃくて、まるで小さなペットみたいだったわ。まだ小さな赤ん坊だった頃からうちによく来てたの。彼の両親はうちの母親にフレディを預けて出かけていたわ。私は彼よりずっと歳上だから、お守りをするのが楽しみだった。可愛いフレディが大好きだったわ。たくさん泊まっていって欲しいっていつも思っていたわ。」


彼は5歳の頃からザンジバル宣教師学校に通うようになる。
人並み以上に賢かった彼は、幼い頃から絵画、図画、粘土細工などで才能の片鱗を見せていたという。
母親は幼い頃の彼のことをこんな風に語っている。



「少年の頃のフレディは音楽が大好きな子だったわ。フォーク、オペラ、クラシック、何でも好きだったの。小さな頃からパフォーマーになりたかったんだと思うわ。」(母・ジャー)



「早熟な子供だったから、両親が僕には寄宿学校が合っていると親が判断したんだ。7歳の頃、インドの寄宿学校に入れられたんだ。どうやらおかげでいい大人になれたみたいだけどね。」(フレディ・マーキュリー)



「フレディの親は彼をインドの学校に行かせたの。サンジバルでは教育水準があまり高くなかったから。彼をボンベイの親戚に預けて、ちゃんとした教育を受けさせることが両親の考えだったの。」(従姉妹・パルヴェーズ)




1955年2月14日、8歳になった彼はインド西部にあるパンチガニという街のセント・ピーターズ・スクール(英国国教会学校)のクラス3に入学した。
彼はこの学校に10年間在籍し、両親とは毎年1度、1ヶ月の夏休みに会うだけだった。
その間に両親との“心の距離”が生まれてしまったという。
それは、丁寧だが感情のこもらない両親からの手紙にも明らかだった。
泣き言を口にせずに我慢して勉学に励みなさい、と教わっていても…家から遠く離れた少年が、親が恋しくなっても電話をかけることすらできなかった環境は、寂しく心細いものだったという。


「夏休み休暇の時にはいつも帰省してたわけじゃないのよ。兄はボンベイの親戚の家で過ごすこともあったの。そこでおばさんが兄にピアノを教えたの。兄は何でも上手くて羨ましかったわ。」(妹・カシミーラ)



当時、セント・ピーターズ・スクールの音楽の先生が、彼が聖歌隊で歌うのを聴き、その音楽の才能を見出すこととなる。
8歳だった彼はすぐに音楽の特別クラスに入れられた。
ピアノ教師ミセス・オーシアが熱心にクラッシック音楽に導こうと格闘したが…彼は当時心を惹かれ始めていたロックンロールをやりたがった。
12歳を迎えた頃、彼は友人たちと一緒に“Hectics(ヘクティクス)”というバンドを結成する。
彼らは2本のギターと、茶箱に弦を1本張っただけのベース、それに学校の古ぼけたピアノと1台のドラムを持っていて「Yakkety Yak」「Tutti Frutti」「Rock Around the Clock」などを演奏していたという。






「それは酷いバンドで自分たちには才能がなかったけれど、フレディは違った。彼はラジオから流れて来る音楽を1回聞いただけで、その曲をピアノで完璧にプレイできたんだ。」(ブルース・マレイ/当時のバンドリーダー)



50年代後半〜60年代前半にかけて、インドのボンベイには東洋と西洋の文化が混じり合うコスモポリタン的な活気が溢れていたという。
彼は学校で本格的にピアノを学びながら、クラシック音楽、オペラ、現代音楽など、ジャンルを問わず受け入れてゆく。
理論と実践の両方で4級試験に合格し、バンドではキレのあるブギウギピアノを披露し、彼はたちまち町で話題の少年となってゆく。

「僕にとって当時のスターはエルヴィス・プレスリー、そしてクリフ・リチャード、ファッツ・ドミノ、そしてリトル・リチャードだったよ。プレイの手本にして、とにかく彼らを真似て近づこうとしたよ。」(フレディ・マーキュリー)



<引用元・参考文献『フレディ・マーキュリー~孤独な道化~』レスリー・アン・ジョーンズ(著)岩木貴子(翻訳)/ヤマハミュージックメディア>


こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。






【歌ものがたり2022 雨ニモマケズ風ニモマケズ】


9月3日(土)田川Diamond Moon
9月4日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis
9月10日(土)米子MUSIC PUB海あに
9月17日(土)京都LIVE&SALON夜想
9月25日(日)久留米 八百屋カフェ農と音1号店
10月7日(金)兵庫(伊丹)HEAVEN`S KITCHEN伊丹昆陽店
10月8日(土)広島・呉Albatross
10月9日(日)岡山LIVE Cafe ペペの家
10月10日(月・祝)岡山Desperado(Bar side)
10月14日(金)唐津の海賊
10月15日(土)小倉Bar Disa
10月16日(日)大牟田 陽炎
10月21日(金)八戸Bar FLAT
10月22日(土)能代ハックルベリー
10月23日(日)秋田カウンターアクション
10月29日(土)横浜Bar Brixton Market
10月30日(日)静岡・三島 ぐらBar’s
11月3日(木・祝)群馬・前橋 呑竜横丁 
11月22日(火)札幌SALINAS
11月23日(水)恵庭Mojo Hand 
12月2日(金)大阪 大きな輪
12日3日(土)和歌山OLD TIME
12月4日(日)広島Jammin’ bar
12月10日(土)福岡NIKAI
12月11日(日)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733736025.html





【THE HUNDREDS 佐々木モトアキ×NOBUYAN’ Special Acoustic Live Tour 2022 “Only 2Men-6Days”】

9月18日(日)大阪 新世界ヤンチャーズ
9月19日(月・祝)名古屋 ROLLING MAN
9月22日(木)福岡 Bar KINGBEE
9月23日(金・祝)福岡 Bar KINGBEE
10月1日(土)新潟 Live Bar Mush
10月2日(日)仙台 Cafe de Lucille

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12748624898.html




【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神” Autumn/Winter 2022 Japan Tour】

11月10日(木)大分・日田Chewing Gum
11月11日(金)佐賀 雷神 
11月12日(土)福岡・雑餉隈ZASSHO JAM
11月13日(日)熊本・八代7th chord
11月19日(土)札幌Log
11月20日(日)釧路 ガソリンアレイ
11月26日(土)高円寺MOONSTOMP
12月17日(土)埼玉・所沢MOJO


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佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

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【佐々木モトアキ プロフィール】
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【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki

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