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ブルース・ブラザース2000〜超豪華メンバーがノーギャラで参加した18年ぶりの続編

2017.03.29

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ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが中心となって結成されたブルース・ブラザースが、旅を原点としてライヴやTV番組から始まり、やがてレコードや映画へと広がりを見せたことは、コラム「ジョン・ベルーシとダン・エイクロイド〜旅と悲しみから生まれたブルース・ブラザースの絆」や「ブルース・ブラザース〜33歳で逝った伝説のジョン・ベルーシ」でも紹介した通り。

1982年3月。ジョン・ベルーシの死によって、ブルース・ブラザースはブルースの伝道師的役割を終える。アメリカでは軟派なディスコ一辺倒の時代に、硬派なブルースを復活させた彼らの功績はあまりにも大きかった。彼らと入れ替わるように音楽シーンはMTVが全盛期に入り、ヴィジュアル性に富んだ様々なポップ&ダンス・ミュージックが凄まじい勢いで流行っては一瞬のうちに廃れていった。

そんな音楽の消費は、90年代になると反動を起こしてオルタナティヴ・ロックやギャングスタ・ラップのムーヴメントに沸く。だが皮肉にも、オルタナティヴやヒップホップが次第にメインストリームとなってしまう逆転現象を生み、あまりにも売れてしまうと、80年代のヘヴィ・メタルが辿った同じ道=終焉の運命へと向かう。そしてゼロ年代を迎える頃にはティーン・アイドルを筆頭とするポップ・ミュージックが再び勢力を拡大……。

そんな流れの中で、ブルース・ブラザースはもう遠い想い出の中に消えようとしていた。70年代後半や80年代前半のことなど、誰も話題にすらしなくなっていた。しかし、水面下でダン・エイクロイドは動いていたのだ。

どうして18年ぶりに続編を作る気になったのかって? レストランバー『ハウス・オブ・ブルース』をオープンさせた時に、そのアトラクションとしてブルース・ブラザースの復活を思いついたんだ。ジェイク(ジョン・ベルーシ)に代わる新パートナーには、弟のジム・ベルーシと20年以上の親友関係にあるジョン・グッドマンが参加してくれた。それに昔のメンバーたちも再結成の話には飛びついてきた。で、ライブをやったら観客の反応が凄かったんだ。


それが映画になるのは当然のこと。前作同様、ダン・エイクロイドとジョン・ランディス監督が脚本を一気に書き上げ、18年ぶりの続編『ブルース・ブラザース2000』(Blues Brothers 2000/1998)はクランクイン。

前作では54台のパトカーを壊して話題になったカーチェイスは、今回は60台を破壊してギネス記録を更新。さらに映画には欠かせない人物たちの再登場も随所に用意された。刑務所の保管係は出世。シスターのメアリーはマザーになって木の棒を金属製に持ち替えた。アレサ・フランクリンはソウルフードの女主人からベンツのディーラーの女社長へ。そして神父ジェームズ・ブラウンやC&Wバンドのリーダー・ボブの出番も忘れない。亡くなったキャブ・キャロウェイは写真で参加。

さらにジュニア・ウェルズ、ウィルソン・ピケット、エディ・フロイド、サム・ムーアらの大御所から、ブルース・トラベラー、ジョニー・ラング、エリカ・バドゥといった新顔もキャスティング。

中でも圧巻なのがB.B.キング、ボ・ディドリー、ココ・テイラー、アイザック・ヘイズ、ビリー・プレストン、クラレンス・クレモンズ、ドクター・ジョン、ジミー・ヴォーン、エリック・クラプトン、スティーヴ・ウィンウッド、ジョシュア・レッドマン、トラヴィス・トリットら超豪華メンバーが勢揃いした「ルイジアナ・ゲーター・ボーイズ」。

グラミー賞だってルイジアナ・ゲーター・ボーイズのメンバーを一度に集めることはできないと思うよ。自分から参加したいと言ってきてくれたミュージシャン、こちらからお願いしたミュージシャンもいた。どちらにしても出演交渉は電話1本でOKだった。しかも、みんなノーギャラなんだ。ブルース・ブラザースの大ファンで。映画がブルースをポビュラーにしたことを高く評価してくれていて、トリビュートという意味合いで参加してくれたんだ。


18年の刑務所暮らしを終え、シャバに出たエルウッド(ダン・エイクロイド)は、相棒ジェイク(ジョン・ベルーシ)や育ての親カーティス(キャブ・キャロウェイ)の死を知ってショックを受ける。しかしエルウッドは悲しみを乗り越えるため、ブルース・ブラザースを昔のように強引に復活させ、新しい相棒に10歳の孤児バスターとストリップクラブのバーテンダー、マイティ・マック(ジョン・グッドマン)を迎える。

ブルース・モービルを手に入れ、シカゴから彼らが向かった先は、ブードゥー教の妖女(エリカ・バドゥ)が主宰する勝ち抜きバンド合戦が繰り広げらけているルイジアナ。しかしトラブルメーカーの彼ら。今回もロシアン・マフィアや右翼団体、警察を巻き込んでのドタバタ劇が始まる。道中、カーティスの私生児でシカゴ市警の所長ケイブル(ジョー・モートン)を改心させ、ようやく目的地に辿り着くと、そこには強敵「ルイジアナ・ゲーター・ボーイズ」が待ち構えていた……。

天国にいるジョンも続編の完成を喜んでくれていると思う。そして応援してくれているんじゃないかな。エルウッドに新しい仲間もできて、ブルース・モービルもバージョンアップしたからね(笑)。『ブルース・ブラザース2000』がエモーション溢れる映画になったのは、スタッフとキャストが一心同体になっていたからだ。映画と音楽を愛する人々が“ファミリーの絆”で結ばれた愛の結晶なんだよ。


ジョン・ベルーシ不在の『ブルース・ブラザース2000』は観る前は不安だが、映画にはベルーシが教えてくれたアウトロー・スピリットが確かに見える。

ブルース・ブラザースの演奏。


豪華な面々が揃ったルイジアナ・ゲーター・ボーイズの演奏。

ウィルソン・ピケット、エディ・フロイドにジョニー・ラングが絡むシーン。

アレサ・フランクリンは前作に続いての登場。

『ブルース・ブラザース2000』

『ブルース・ブラザース2000』


*日本公開時チラシ
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参考・引用/『ブルース・ブラザース2000』パンフレット

評論はしない。大切な人に好きな映画について話したい。この機会にぜひお読みください!
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