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「TAP the COLOR」連載第165回
1986年から始まった「ロックの殿堂」(Rock and Roll Hall of Fame) は、デビュー25年以上のミュージシャンやバンドを対象としているが、1988年のセレモニーではビーチ・ボーイズ、ボブ・ディラン、ビートルズ、ザ・ドリフターズ、シュープリームスらが殿堂入りした。
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ボブ・ディラン『Highway 61 Revisited』(1965)
1950年代半ばに誕生したダンス音楽としてのロックンロールを経て、アメリカは1960年代半ばにロックの時代へと突入する。「ロックは世界を変えられるかもしれない」「生き方そのものなんだ」──そう信じることができたのは、ディランによるこの不滅の名盤があったから。ロックがヒップな奥深い文学作品と並んだ瞬間だった。
ビーチ・ボーイズ『Surf’s Up』(1971)
デビュー当時からのビーチ・ボーイズ的世界=サーフィンやホットロッド、カリフォルニアの青い空は、66年の『ペット・サウンズ』で終わりを告げる。そして、以降のセールスは低迷。サイケデリックが主流となったメインストリームから急速に離れていく。しかし、70年代のビーチ・ボーイズの一連の作品こそ、彼らの本当のドラマを感じるというファンは多い。本作はリプリーズ移籍後の2枚目で、ジャケットデザインも印象的。改めて聴き通してみると、名盤の味わい深さ。幻の『スマイル』用に作られたタイトル曲のほか、ブルース・ジョンストンによる大名曲「ディズニー・ガールズ」を収録。
ビートルズ『1967–1970 (The Blue Album)』(1971)
説明不要。いわゆる「青盤」として知られるビートルズの公式ベスト盤。タイトル通り、彼らのキャリア後半の代表曲がずらりと並ぶ。ビートルズという名前や存在を知らない世代が当たり前となった現在。赤盤と併せて入門編として最適な作品集。もしこれで何も感じなければ、ロックとは縁がないと思っていいだろう。
シュープリームス『The Supremes at the Copa』(1965)
「サウンド・オブ・ヤング・アメリカ」を象徴したモータウンと、レーベルの看板的グループだったシュープリームス。ダイアナ・ロスが意図的にfeatされるまで、彼女たちの存在意義は高かった。本作は全盛期のライヴ盤。ヒット曲満載の中、サム・クックのメドレーが泣ける。
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ドリームガールズ〜黄金期のモータウンとシュープリームスをモデルにした物語
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