★ダウンロード/ストリーミング時代の色彩別アルバムガイド
「TAP the COLOR」連載第20回
洋楽/邦楽の境界線が明確だった1980年〜90年代では、大抵の人が中高生の頃に「洋楽デビュー」していたと思う。そんな時、放課後のファーストフード店やMTVから流れる同世代の姿や歌には特別な共感を覚えた。なぜならそれは紛れもなく“青春のサウンドトラック”だから。
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ミシェル・ブランチ『The Spirit Room』(2001)
17歳だったミシェルのメジャー1作目。高校時代に親友と作った曲をはじめ、物語性溢れる歌詞が印象的。当時はブリトニー・スピアーズに代表される歌って踊るティーンガール・ポップ全盛期。そんな中、ギターをかき鳴らす彼女の姿は2000年代ロックのトキメキだった。
ジュエル『Pieces of You』(1995)
オルタナティヴ・ロック全盛の90年代半ば。20歳になって間もないアラスカ育ちの女性シンガー・ソングライターのアルバムが時間を掛けて売れ始め、遂には全米だけで1200万枚に至る。湖や森林の微妙な揺れのような楽曲、吹き抜ける風のような歌声がたまらない。
デビー・ギブソン『Electric Youth』(1989)
1987年のデビュー作『Out of the Blue』も素晴らしかったが、本作こそが彼女の最高傑作。この時まだ18歳、全曲自作という奇跡。大名曲「Lost in Your Eyes」など一度聴いたら耳に残るティーンの切ないメロディ満載。山下達郎も惚れた才能。再評価が望まれる。
ティファニー『Tiffany』(1987)
80年代ティーンポップの金字塔、15歳のデビュー作。大人たちによる隙のないプロダクション。ショッピングモールでのツアーから始まり、最終的にアルバム/シングル共全米1位。日本でも話題に。彼女の前例なしに、ブリトニーや最近のティーンアイドルは語れない。
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