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「TAP the COLOR」連載第270回〜SILVER 〜
1986年から始まった「ロックの殿堂」(Rock and Roll Hall of Fame) は、デビュー25年以上のミュージシャンやバンドを対象としているが、2018年のセレモニーでは、ムーディ・ブルース、ダイアー・ストレイツ、カーズ、ボン・ジョヴィらが殿堂入りした。
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ダイアー・ストレイツ『Brothers in Arms』(1985)
1978年に「Sultans of Swing」でデビュー。次第にマーク・ノップラーのヴォーカルやギタープレイが注目され、ボブ・ディランとの仕事にも抜擢。85年には当時まだ新しいメディアだったMTVやミュージックビデオを揶揄した曲が逆に注目や話題となり、皮肉にもMTVを通じて大ヒット。遂には最優秀ビデオ賞まで受賞してしまった「Money for Nothing」(1位)を収録した大ベストセラーアルバム。世界で3000万枚以上を売った。「So Far Away」「Walk of Life」「Your Latest Trick」も名曲だ。
カーズ『Shake It Up』(1981)
1978年にデビューしたカーズは、リック・オケイセックとベンジャミン・オールのポップセンスに支えられて立て続けにアルバムがプラチナディスクを獲得。4枚目となる本作からはバンド初のトップ10ヒット「Shake It Up」が生まれた。彼らが大ブレイクを果たすのは次作『Heartbeat City』(1984)で、ポップなサウンド&ヴィジュアルはMTV全盛期と相性抜群だった。
ボン・ジョヴィ『Keep the Faith』(1992)
1984年にデビューした当初はジョンとリッチーのイケメン度もあり、アメリカよりも日本で最初に人気を得たバンド。これが彼らの第1のイメージ。そして2年後の『Slippery When Wet』で大ブレイク。HM/HRを象徴するバンドへと昇華する。これが第2のイメージ。まさかここで止まっている人はいないと思う。グランジ/オルタナティヴの嵐が吹き荒れた90年代。多くのHM/HRバンドが失速を余儀なくされる中、ボン・ジョヴィの本当の物語はここから始まっていく。「信念を貫け」のタイトルやジャケット写真の通り、彼らはアイドル性を捨て去り、力強いロックバンドであり続けようとする。これは感動作だ。
ムーディ・ブルース『The Other Side of Life』(1986)
1964年にデビューした当初は数あるビートバンドの一つだったが、次第に音楽性を変化させ、70年代には英国を代表するプログレ・バンドとして英米で人気を不動のものに。80年代に入るとMTV時代に合わせたポップ性を増していき、本作をリリース。「Your Wildest Dreams」がヒットした。心地よいサウンドがたまらない。
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