★ダウンロード/ストリーミング時代の色彩別アルバムガイド
「TAP the COLOR」連載第301回〜MONOCHROME〜
(11月に亡くなった主なミュージシャン)
ロック/ポップ:リンク・レイ、フレッド・スミス(MC5)、ミッチ・ミッチェル、レナード・コーエン、レオン・ラッセル、ジョージ・ハリソン、ダグ・サーム、フレディ・マーキュリー(クイーン)、マイケル・ハッチェンス(INXS)、マルコム・ヤング(AC/DC)、ケヴィン・ダヴロウ(クワイエット・ライオット)、デヴィッド・キャシディ
カントリー/フォーク:ロイ・エイカフ
ブルーズ/R&B/ソウル:ミシシッピ・ジョン・ハート、キャブ・キャロウェイ、ビッグ・ジョー・ターナー、アルバート・コリンズ、アラン・トゥーサン、O.V.ライト、ジュニア・パーカー、ヘヴィ・D
ジャズ:アート・テイタム、カーメン・マクレエ、レニー・トリスターノ、アルバート・アイラー、チコ・ハミルトン、モーズ・アリソン
その他:ポール・モーリア
あなたの好きな色は?〜TAP the COLORのバックナンバーはこちらから
ミシシッピ・ジョン・ハート『Avalon Blues: Complete 1928 Okeh Recordings』
伝説のデルタ・ブルーズマンによる1928年に行われた歴史的な録音全13曲。ブルーズ以外にもバラッドやスピリチュアル、フォークソングなどもレパートリーにしていた「ソングスター」と呼ばれる人だ。以来、録音には恵まれなかったが、1963年に研究家たちに“再発見”されて再び吹きこみを開始。70歳を過ぎてスポットライトを浴びることになった。戦前のカントリー・ブルーズマンたちにはこういう人が何人もいた。1966年11月2日死去、享年74。
ロイ・エイカフ『The Essential (1936-1949)』
「カントリー音楽の王」と称えられたロイ・エイカフは、メジャーリーグの野球選手になることを断念し、30年代前半にメディシン・ショーで観衆への対応を学ぶ。その後バンドを結成し、1936年にデビュー。まだカントリーチャートがなかった頃、「Great Speckled Bird」は屈指の名曲となった。40年代に絶大な人気を誇ったエイカフは、優れた歌手としてだけでなく、司会者やプロモーター、音楽出版社の設立などを通じて、ナッシュヴィルがカントリー音楽の聖地になるための多大な貢献をした。アンソロジーで全盛期のすべてが聴ける。1992年11月23日死去、享年89。
アート・テイタム『Classic Early Solos (1934–37)』
ジャズ・ピアニストのレジェンドといえば、真っ先に名を挙げなければならないのがアート・テイタムだ。「まるで二人のピアニストが同時に弾いている」とまで言われた超絶的な技巧は、ロバート・ジョンソンのエピソードを彷彿とさせる。ほぼ盲目だったにも関わらず、その圧倒的な演奏で多くのピアニスト、クラシック界からも神扱いを受けた。1930年代の録音を集めた本作は、テイタムの完璧かつ斬新な独奏が堪能できる1枚。1956年11月5日死去、享年47。
キャブ・キャロウェイ『Best of Cab Calloway』
1930〜40年代のスーパースター、キャブ・キャロウェイ。1931年、デューク・エリントンに続き、ビッグバンドを率いてNYのコットンクラブの専属となる。ズートスーツに身を包み、エンターテインメントの極致とも言えるステージを披露。「Minnie the Moocher」を知らない人はいないと思う。多数のベスト盤で代表的なヒットが聴ける。映画でも活躍し、『シンシナティ・キッド』や『ブルース・ブラザーズ』でその存在感を発揮した。1994年11月18日死去、享年86歳。
【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
https://www.wildflowers.jp/profile/
http://www.tapthepop.net/author/nakano
■仕事の依頼・相談、取材・出演に関するお問い合わせ
https://www.wildflowers.jp/contact/