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「TAP the COLOR」連載第311回〜RED〜
(12月に亡くなった主なミュージシャン)
ロック/ポップ:ロイ・オービソン、リッキー・ネルソン、ボビー・ダーリン、デニス・ウィルソン(ビーチ・ボーイズ)、イアン・スチュワート、リック・ダンコ(ザ・バンド)、フランク・ザッパ、キャプテン・ビーフハート、トミー・ボーリン(ディープ・パープル)、グレッグ・レイク(EL&P)、ジョー・コッカー、イアン・マクレガン、ボビー・キーズ、ダン・フォーゲルバーグ、ニコレット・ラーソン、ジョー・ストラマー、カースティ・マッコール、ジョージ・マイケル、ダイムバッグ・ダレル(パンテラ)
カントリー/フォーク:マーティ・ロビンス、レイ・プライス、ハンク・スノウ
ブルーズ/R&B/ソウル:ブラインド・レモン・ジェファーソン、ダイナ・ワシントン、ジミー・ロジャース、アルバート・キング、フレディ・キング、マジック・サム、リー・ドーシー、サム・クック、オーティス・レディング、ジェームス・ブラウン、アイク・ターナー、ルーファス・トーマス、カーティス・メイフィールド、ナタリー・コール
ジャズ:グレン・ミラー、アーティ・ショウ、オスカー・ピーターソン、マル・ウォルドン、ケニー・ドーハム、フレディ・ハバード、グローヴァー・ワシントン・ジュニア
その他:ホーギー・カーマイケル、アントニオ・カルロス・ジョヴィン、ディーン・マーチン
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ダイナ・ワシントン『Greatest Hits 1946-1953』
ダイナ・ワシントンは「ブルースの女王」と呼ばれたが、ジャズ界での評価の高さも有名。1943年にライオネル・ハンプトン楽団でキャリアをスタート。R&B、ブルーズ、ジャズとジャンルを超えた歌唱を続けたが、1963年12月14日、39歳の若さで他界。本作はダイナがR&Bチャートてヒットを連発していた頃を網羅したベスト盤。
ジミー・ロジャース『CHICAGO BOUND』
マディ・ウォーターズの右腕としてシカゴ・ブルーズを担ったギタリスト。ジミー・ロジャースの1950〜59年に渡るチェス録音をまとめた重要作。feat.されているのはもちろんマディ、リトル・ウォルター、オーティス・スパンら黄金メンバー。バラードで聴かせるディープなブルーズが堪らない魅力。この男の存在なくして、シカゴ・ブルーズの風景を描くことはできない。1997年12月19日、73歳で死去。
アルバート・キング『Born Under a Bad Sign』
B.B.キングやフレディ・キングと並んで「3大キング」と呼ばれたりもするブルーズ界の巨人の一人、アルバート・キング。左利き、ギブソンのフライングがトレードマーク。魂から絞り出すようなスクィーズ・ギターがたまらなく魅力的で、英米のロック・ミュージシャンたちに与えた影響は計り知れない。本作は1966〜68年にスタックスで吹き込んだ名盤。バックを支えるのはブッカーT&MGズ。ソウルが染み込んだモダン・ブルーズの真髄がここにある。1992年12月21日、69歳で死去。
マジック・サム『West Side Soul』
マディ・ウォーターズやハウリン・ウルフなど南部出身者のダウンホーム感覚溢れるバンド・ブルーズの次世代であり、同時にB.B.キングらの都会感覚溢れるモダン・ブルーズの影響も受けた若手ブルーズマンたちが1950年代後半に続々と登場。バディ・ガイやオーティス・ラッシュと並ぶその一人がマジック・サムだった。本作は1967年に録音された彼の最高傑作であり、ブルーズ史上に輝く名盤中の名盤。R&Bを取り入れた当時最先端のスタイルから、オーセンティックあるいはスローブルースまで表情豊かだ。この2年後の1969年12月1日、32歳の若さで他界。もし生きていたらブルーズの歴史は変わっていたはず。
【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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