♪「Red Red Wine」/UB40
真っ赤なワイン 酔わせておくれ
忘れさせてよ あの娘のこと
真っ赤なワイン これだけが頼り
何をやっても消えないあの娘の面影
「Red Red Wine」は、1968年にニール・ダイアモンド(当時27歳)が発表した曲。
“アメリカでもっとも成功したシンガー・ソングライターの一人”と呼ばれた男による失恋ソングだ。
この翌年に彼は「Sweet Caroline」をヒットさせる。
それはつい先日、初の女性駐日米大使に着任して話題となったジョン・F・ケネディの愛娘キャロライン・ケネディの“愛くるしい少女時代の姿”を歌ったものだった。
彼が紡いだ珠玉のメロディはエルヴィス・プレスリーなどにも歌われ、今もなお人々に愛されつづけている。
現在72歳となる彼は、54歳の頃に離婚を経験し“世界最高額の慰謝料を払ったミュージシャン”としても有名になった。
もちろん自分が歌って売れた曲もあるが、どちらかと言えば他人がカバーしてヒットした曲の方が多い“優れたソングライター”なのだ。
この曲の誕生から15年後、イギリスのレゲエ・ポップ・バンドUB40がカバーして全英チャート1位(1983年)となった。
当時、彼等はイギリス、ジャマイカ、スコットランド、北アイルランド、イエメンなど出身国が異なる多国籍編成バンドとして注目を集める存在だった。
名前の由来は、“失業給付金申請書様式名(Unemployment Benfit , From 40)”から頂いたという。
80〜90年代と世界的なヒットに恵まれながらも、2011年には主宰していたレーベルの清算に伴い、バンドのメンバー4人が相次いで破産宣告を受けた。
世界最高額の離婚慰謝料をサクっと払えるほど成功したソングライターの曲を、失業給付制度を名前にしたバンドが歌ってNo.1になったり、破産宣告を受けたり…。
最愛の妻と離婚したニールにとっても、波瀾万丈なUB40にとっても“真っ赤なワイン”は鬼門だったのか!?
まさに“とんだ誤算”を生んだようだ。