「Something」は、1969年9月にビートルズが発表したイギリス盤公式オリジナルアルバム『Abbey Road』に収録された曲であり、同年10月にシングルカットされ21枚目のオリジナルシングル曲ともなった(※両A面曲で片面は「Come Together」)。ジョージ・ハリスンの作品で、リードボーカルもジョージがとっている。
ビートルズ時代の公式発表曲の中で、唯一シングルのA面収録曲となったジョージの作品であり、ビートルズ並びに彼の代表作として知られる。
「Something in the way she moves」という曲の冒頭の歌詞は、当時アップルレコードに属していたジェームス・テイラーの楽曲のタイトルから引用されている。
ジョージは自伝の中で、この楽曲に関してこんな風に語っている。
「Something」は、ビートルズのアルバム『The Beatles(通称・ホワイトアルバム)』(1968年)のレコーディング中にピアノを使って書いたんだ。ポールが他の曲のオーバーダビングをやっている間に時間があったので、誰もいないスタジオ(アビイロード第一スタジオ)へ行って書き始めたんだ。比較的にすらすらと書けたんだけど、中間部分をまとめるのにやや手間どったのを憶えているよ。
当時、ホワイトアルバムはすでに全曲を録り終えていたので、この曲は収録されなかった。それでジョー・コッカーに譲り、一年後にビートルズでもレコーディングして『Abbey Road』(1969年)に収録したんだ。
このメロディーは確か、上下5音の範囲内に収まっていたはずだよ。たいていのシンガーは自分の声域の中で無理なく唄うことができるはずだよ。おそらく僕が作った曲の中では一番のヒット作だろうね。
僕の知る限り150種類のカヴァーバージョンが出ている。その中でも気に入っているのは、ジェームス・ブラウンのものだね。あれは素晴らしかった!
<引用元・参考文献『ジョージ・ハリスン自伝』著:ジョージ・ハリスン/訳:山川真理(河出書房新社)>
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