パンクやニュー・ウェイブと融合し、化学反応を起こしながら独自に発展してきた、UKのレゲエ/スカ・シーン。その流れを汲みながら、ヒップホップやグライムなどを取り込んでは現代的にアップデートしたフレッシュなサウンドを聴かせるバンドが、男女混成の4ピースバンド、スキンツだ。
2007年にロンドン西部で結成されたこのバンド。結成当初こそ、ハードコア・パンクやスカパンクからの影響も強かったが、次第にルーツ・レゲエやダブに接近したサウンドへと変化していく。ファースト・アルバム『Part & Parcel』(2012年)からのリード・トラック「Ratatat」は、アンニュイな声でゆったりとした歌とラガマフィンを聴かせる女性ボーカル/キーボード奏者・マーシャと、パンキッシュなラップを繰り出すギター/ボーカルのジョシュアの対比も印象的で、大きな注目を集めた。
The Skints「Ratatat」 MV
マーシャやジョシュア以外にも、ドラムのジェイミーも甘くソウルフルな歌声を聴かせたりと、曲によってメインでマイクを持つメンバーが入れ替わり、多彩な表情を見せるのも面白い。
EPなどのリリースを経て完成したセカンド・アルバム『FM』は、タイトル通り架空の海賊放送局をテーマに、合間にディスクジョッキー風のスキットを挟みながら進んでいく。UKダンスホール・シーンで活躍するベテラン、ティッパ・アイリーらをゲストに迎えて、ルーツ・レゲエからラヴァーズロック、2トーン・スカなど様々なアプローチから、彼らならではのレゲエの解釈を展開。ヘンリー・ロリンズが在籍した、US西海岸ハードコアの雄、ブラック・フラッグの「My War」をルーツ・レゲエによるカバーなども興味深い。
現在は、以前このコーナーでも取り上げた女性レゲエ・シンガー=ホリー・クックと一緒にツアーを回っているという彼ら。最新スタイルのレゲエ/スカの発信地として、UKに再び脚光が浴びる日は近いのかもしれない。
The Skints official website
http://www.theskints.co.uk/
The Skints「This Town feat. Tippa Irie and Horseman」 MV
The Skints「Come To You」
The Skints「Eyes In The Back Of My Head feat. Rival」 MV
The Skints「Rise Up」 MV from『Part & Parcel』
The Skints「The Cost Of Living Is Killing Me」 MV from『Short Change EP』
Kemuri Presents
FREE SHOW! ~SKA BRAVO SPECIAL TOUR 2017~
11月14日(火)東京・渋谷 TSUTAYA O-EAST
11月15日(水)愛知・名古屋クラブクアトロ
11月16日(木)大阪・BIG CAT
入場方法:無料(要ドリンク代)
出演:KEMURI、THE SKINTS、The Bruce Lee Band
詳細はhttps://kemuri.com/contents/109079を参照ください。
本コラムは2015年4月6日に初回公開された記事に加筆修正したものです。