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FRONTIER BACKYARD──2人編成で新たな歩みを踏み出した彼らの「原点回帰」なアルバム

2017.09.12

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SCAFULL KINGの活動で知られるTGMX(ボーカル、シンセサイザー 他)、福田”TDC”忠章(ドラム、バッキングボーカル)、増渕謙司(ギター)の3人によって結成された、FRONTIER BACKYARD(フロンティア・バックヤード)。2004年に1stアルバムを発表後、5枚のフル・アルバムをはじめコンスタントにリリース作品を発表してきた傍ら、ライブ活動も積極的に行ってきた彼ら。しかし、2016年4月に10年以上にわたって歩みを共にしてきた増渕がバンドを脱退(現在は自身のバンドであるMINEなどで活躍)。バンドはTGMXとTDCの2人だけになってしまった。ちなみに2人は地元の高校からの同級生でもある。

一時はそのままバンドの解散も考えたという2が、FRONTIER BACKYARDとして再び歩んでいくことを選んだ。2016年11月にはタワーレコード限定ミニ・アルバム『FUN BOY’S YELL』が発表。そのリリース・パーティでは、これまでも彼らのライブを支えてきた松田岳二(LEARNERS)と古川太一(KONCOS)に加えて、コイチ(Sawagi)のコイチさんの鍵盤楽器担当の3人が参加。さらにSCAFULL KINGからの盟友であるサックス奏者のNARIをはじめとするホーン隊が加わった新体制のライブを展開。ギターレスの編成で、いわゆるロックバンドの定型からも逸脱した自由なスタイルを手にいれた彼らは、これまでのイメージを刷新し新たな一歩を力強く踏み出した。

そして今年9月、2人体制になって初のフル・アルバム『THE GARDEN』がリリースされた。TGMXとTDCそれぞれ書いた楽曲で、お互いに意見を交し合いながら形にしていった本作は、Pファンクやミネアポリス・ファンクといった70〜80年代のファンクから、あるいは現在進行形のアブストラクトなR&B、そしてFRONTIER BACKYARDでは封印してきたスカ/レゲエの楽曲まで、SCAFULL KING時代にも影響が顕著に表れていたブラック・ミュージックのエッセンスを色濃く打ち出した、原点回帰ともいえるサウンドが特徴的だ。一方で、FRONTIER BACKYARDが10年以上の活動で推し進めてきた4つ打ちのダンサブルなポップも、より鮮やかに進化。ギターレスなシンセ・ポップでいて、とびきりにグルーヴィなサウンドが心地よい。

コイチ(Sawagi)やNARIらが要所でサポート参加した以外は、ほとんどTGMXとTDCの2人だけで作り上げたという『THE GARDEN』。彼らが新たに作りあげた音の庭には、これからどんな花が咲き、どんな実が成っていくのか。興味深く見守りたい。


FRONTIER BACKYARD『THE GARDEN』

FRONTIER BACKYARD
『THE GARDEN』

(Niw!Records)


official website
http://www.frontierbackyard.com/
http://fby-garden.tumblr.com/



“THE GARDEN” Release Tour
10月15日(日) 千葉・LOOK
10月20日(金) 高松・TOONICE
10月21日(土) 広島・SECOND CRUTCH
10月22日(日) 福岡・QUEBRICK
11月5日(日) 富山・MAIRO
11月6日(月) 新潟・GOLDEN PIGS BLACK STAGE
11月10日(金) 仙台・enn2nd
11月11日(土) 大船渡・KESEN ROCK FREAKS
11月12日(日) 宮古・KLUB COUNTER ACTION
11月14日(火) 札幌・BESSIE HALL
11月16日(木) 青森・SUBLIME
11月17日(金) 石巻・BLUE RESISTANCE
11月18日(土) 宇都宮・HEAVENS’S ROCK
11月23日(祝) 東京・TSUTAYA O-WEST
11月25日(土) 大阪・Shangri-la
11月26日(日) 名古屋・RAD HALL

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