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Keishi Tanaka

2015.04.27

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一度は消えた旋律を 雲が隠した記憶の光を
壊されないように 君に届けよう
(「CRYBABY’S GIRL」より)


ゼロ年代に彗星のごとく登場し、未だに大きな存在感を放つバンド、Rididm Saunter。人気がまさに絶頂へ達しようとする2011年、バンドは惜しまれつつ解散。その後、メンバーはそれぞれの道を歩みはじめた。ボーカリストでありメインのソングライターでもあったKeishi Tanakaは、ソロ・アーティストとして活動を開始。2012年に詩と写真で構成された本にオリジナル曲を収録したCDからなるソングブック『夜の終わり』を発表し、翌2013年には初のフルアルバム『Fill』をリリース。作品の制作と並行して、弾き語りをメインに全国各地を行脚。ライブハウスのみならず、カフェやショップ、さらには幼稚園など、歌う場所や聴き手の対象を問わない活動を続けながら、自らの〈歌〉と〈言葉〉の純度を高めていった。

約2年3ヶ月ぶりのオリジナル・アルバムとなる『Alley』は、前作で披露したポップな作風を踏襲しながら、色彩感はさらに鮮やかさを増した。参加ミュージシャンは、ともにriddim saunterのメンバーとして活動してきたKONCOS(古川太一、佐藤寛)や、チャーベこと松田岳二、福田“TDC”忠章(FRONTIER BACKYARD)といったデビュー当時からの盟友に加え、Keishi Tanakaも参加するアコースティック・ユニット=DE KITSの仲間でもある吉澤成友(YOUR SONG IS GOOD)、また伊藤大地(SAKEROCK、グッドラックヘイワ)、野村卓史(グッドラックヘイワ)など、ソロ活動を続ける中で出会ってきた音楽家たちが多数参加し、アンサンブルを彩っている。

ストリングスの響きが流麗なワルツ「あかり」にはじまるアルバム『Alley』は、躍動感あふれる「傘を持たない君と音楽を」、伸びやかな歌声の魅力が発揮されるソウル・チューン「Floatin’ Groove」、3年間のソロ活動で培ったすべてを詰め込んだような渾身のポップ・ソング「CRYBABY’S GIRL」、希望に満ちた新たな門出を歌ったバラード「あこがれ」……と、冒頭からバラエティに富んだ展開をみせる楽曲の数々を、生音のあたたかみを重視したサウンドが作品に一定のトーンを与えている。まるで映画のワンシーンのように日常を切り取った歌が断続的に並べられるが、そこには自然と物語が浮かび上がってくるようにも聴こえる。決して派手なドラマはないが、いつまでもじんわりと心に棲み続けてくれるような作品だ。

始まりの時が来て
今日までのあこがれが溶けていく
遠くから聞こえる 風立つ度に
祝福の鐘を鳴らす この街の全てが
(「あこがれ」より)




Keishi Tanaka『Alley』

Keishi Tanaka
『Alley』

(Niw! Records)


2nd album『Alley』special website
http://niwrecords.com/sp/alley/
Keishi Tanaka official website
http://keishitanaka.com/


Keishi Tanaka「CRYBABY’S GIRL」
Keishi Tanaka「Floatin’ Groove」
Keishi Tanaka「あこがれ」


Live Schedule
『Alley』Release Tour -Full Band Set-

6月12日(金)大阪・梅田 Shangri-La
6月20日(土)愛知・名古屋 RAD HALL
6月26日(金)東京・渋谷 クラブクアトロ

『Alley』Release Tour -Acoustic Set-
5月7日(木)
広島 LIVE Cafe Jiveを皮切りに、全国22ヶ所で開催。

詳しくはKeishi Tanaka official websiteにてご確認ください。

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