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FRONTIER BACKYARD──新作で聴かせる、ファンク濃度高めの鮮やかなポップ・ワールド

2018.10.23

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TGMX(ボーカル)、TDC(ドラム)による、FRONTIER BACKYARD(フロンティア・バックヤード。以下、FBY)。高校からの同級生で、ともにスキャフル・キングのメンバーとして活躍していた彼らが、バンド活動休止中の2004年にスタートさせたのがFBYだ。結成からギターを含む3人組だったが、2016年からはTGMXとTDCの2人組となり、大きな変化を迎えた。

ライブには以前からサポートしていた松田岳二(LEARNERS)と古川太一(KONCOS)に加えて、コイチ(Sawagi)の3人がキーボードとして参加。ギターやベースといったロック/ポップス・バンドには必須といえるパートを、シンセのサウンドが取って替わった。またスキャフル・キング時代からの盟友であるサックス奏者NARIやトランペットのマイ(THE REDEMPTION)、シーサー(元・浅草ジンタ)を含む大所帯でステージを展開。弦楽器の不在を逆手に取った自由なアプローチで、エレクトリックと生楽器のダイナミズムをミクスチャーしたようなFBY流ダンス・ミュージックを展開している。

『THE GARDEN』から約1年ぶりのリリースとなるニュー・アルバム『Fantastic every single day』は、ファンク、ソウル、ジャイヴと、前作でも窺えたTGMX、TDC2人のルーツであるブラック・ミュージックへの回帰をさらに進めた楽曲が並ぶ。ライブでの手応えをレコーディングに反映させたかのように生音の比重も強くなった印象だが、FBYならではなシンセ・ポップの華やかさや心地よさは健在で、このブレンド感覚は他では味わえないユニークさだ。

さらに今作では、2人のボーカリストをゲストに迎えた。まず、FBYと同世代で同じ空気を吸ってきたNONA REEVESの西寺郷太。共通項の一つであるミネアポリス・ファンクを彷彿させる「SO FAIR」で掛け合いを聴かせる。もう一人の歌い手は、注目のポップ・バンド〈フレンズ〉のおかもとえみ。FBYとしては初となる女性シンガーのフィーチャー。息のあった男女ツイン・ボーカルで、新たに表現の域を広げている。

ファンク濃度高めの、鮮やかなポップ・ワールドを繰り広げるFBY。この音楽が生き生きと色づいてくる、彼らのライブもぜひ体感してほしい。


FRONTIER BACKYARD『Fantastic every single day』

FRONTIER BACKYARD
『Fantastic every single day』

(Niw! Records)





“Fantastic every single day” release tour
2018年11月9日(金)東京・渋谷 TSUTAYA O-WEST
2018年11月16日(金)大阪・梅田 Shangri-La
2018年11月17日(土)愛知・大須 RAD HALL

official website
http://www.frontierbackyard.com/

『Fantastic every single day』特設サイト
https://fby-7th.tumblr.com/

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