DJとしてのみならず、多くのアーティストのサポートやプロデュース/リミックスワークを手がけてきたチャーべこと松田岳二と、シンガーとしての実力も高く評価される人気モデルの紗羅マリーを中心に結成されたバンド〈LEARNERS(ラーナーズ)〉。天才的なセンスを備えた女性ギタリスト・CHIEや、パンキッシュなビートを体現するドラムの古川太一(KONCOS)、ベースの浜田将充(QUATTRO/Circle Darko/bandit)による5人の熱気あふれるステージと、ロカビリーやジャイヴ、スカをロックンロールに昇華していくそのサウンドは徐々に話題を集め、昨年12月にファースト・アルバムは現在までロングセラーとして売れ続けている。
LEARNERS「I Want You To Be My Baby」 MV
そんなLEARNERSが、この夏にリリースされる作品を相次いでプロデュースした。まず最初に紹介するのは、シンガー・ソングライターKeishi Tanakaのシングル「Just A Side Of Love」。今年に入ってからは、OBKR率いるクリエイター集団Tokyo Recordingsや、ジャズ・ロック・バンドfox capture planなど、才気あふれる面々と他流試合のようなコラボを展開してきたKeishi Tanaka。チャーべとはKeishiがボーカルを務めていたriddim saunterからの盟友で、本人自らオファーし実現。紗羅マリーとデュエットするために書き下ろしたオリジナル曲「Just A Side Of Love」は、50sポップスの薫りをまとった軽快なダンス・ナンバー。カップリングにはチェット・ベイカーの歌唱で知られるスタンダード「Look For The Silver Lining」をロカビリーのアレンジで披露。CHIEのギャロップ奏法が冴えまくる、心躍るカバーとなっている。ちなみにKeishiと、LEARNERSの古川・浜田はriddim saunterとして共に活動してきた盟友同士。彼らが音源で邂逅しているのも嬉しいところだ。
Keishi Tanaka「Just A Side Of Love」 MV
そしてもう1つの作品は、張りのあるソウルフルな歌声が話題のシンガー・ソングライター モッチェ永井が〈モッチェ永井とラーナーズ〉名義でリリースするシングル「ふたりの愛ランド」。80年代に石川優子とチャゲのデュエットでヒットしたあの楽曲を、まさかのロカビリー調でカバー! 原曲のポップでキャッチーな魅力はそのまま、なんとも痛快に換骨奪胎を遂げた1曲になった。カップリングはモッチェのオリジナル曲「まばたきしてるうちに」はゴリゴリのロカビリーに。ドカスカ激しいドラムにスラップベース、艶っぽいリバーブでギンギンにギャロップするギターが迫力のサウンドと、モッチェならではの悲哀とユーモアに満ちた歌詞が融合した、こちらも聞き応えのあるナンバーだ。
これから本番を迎える夏を、さらにアツくするような2枚のシングル。そんな快作をプロデュースしたLEARNERSの動向からは、ますます目が離せない。
モッチェ永井とラーナーズ「ふたりの愛ランド/まばたきしてるうちに」 audio