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2人が出会った秋に思いを馳せる「トライ・トゥ・リメンバー~追憶」

2019.09.26

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エミー賞、グラミー賞、トニー賞、ゴールデングローブ賞、ピューリッツァー賞をすべて受賞した作曲家はひとりしか存在しない。

その名をマーヴィン・ハムリッシュという。舞台では「コーラスライン」が有名だし、映画では「スティング」だろうか。
そして、この曲もそうだ。

♪思い出は
 心の片隅にかけられた
 おぼろげな水彩画のよう
 あの頃のふたりの思い出の絵♪


1974年にアカデミー賞、ゴールデングローブ賞、エミー賞を受賞した「追憶」(原題「The Way We Were})の主題歌である。
歌ったのは、主演女優でもあるバーブラ・ストライサンド。

歌の主人公は、ばらばらになった写真に写るふたりの微笑みに視線を移し、あの頃に戻れないのかと、思案する。。。
バーバラの相手役はロバート・レッドフォード。

♪思い出して
 あれは確か、9月
 人生の時はゆっくりと豊かに流れてた
 思い出して
 あれは確か、9月
 緑色の草原、麦の穂は黄金色
 あれは確か、9月
 あなたは若く、まだウブだった
 思い出して
 もし思い出してくれたなら
 その思い出を追いかけて。。。♪


そんな詩を、「追憶」の前に詠んだ歌手がいる。
グラディス・ナイトだ。



この詩は、「トライ・トゥ・リメンバー」の冒頭部分。
「トライ・トゥ・リメンバー」は「ファンタスティコ」というミュージカルの挿入歌で、これまでブラザース・フォー、アンディ・ウィリアムス、ペリー・コモら多くの歌手に歌われてきた曲だ。
「トライ・トゥ・リメンバー」という歌の<現在>は12月。
そう、冬に出会いの秋を思い出している設定だ。

1973年の9月にレコーディングされたバーブラの「追憶」は、その年の冬にヒットチャートの1位を飾ったのである。



(このコラムは2014年10月2日に公開されたものです)

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