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クイーン~ロック史に輝く起死回生のパフォーマンス

2017.07.13

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20世紀最大のチャリティ・コンサートといわれるライヴエイド。
数々の超大物ミュージシャンが集う中で、最高の評価を得たのはクイーンだった。

1985年当時、クイーンはレコードの売上が全盛期の半分ほどまで落ち込み、“過去のバンド”という烙印を押されていた。
その一方で各メンバーはソロ活動に力を入れており、メディアでは再三にわたって不仲説や解散説が取り沙汰されていた。

そんなクイーンにライヴエイドへのオファーをしたのが、主催者にしてアイルランドのバンド、ブームタウン・ラッツのボーカル、ボブ・ゲルドフだ。
クイーン側はボブのことを知らず、しかもコンサートの全容も見えなかったということもあって、そのオファーを断った。
しかし、クイーンのツアーについて回るというボブの熱心なアプローチによって、コンサートの主旨が伝わってクイーンは出演を承諾する。

1985年7月13日、ライヴエイドはイギリスやアメリカをはじめとして世界各地で同時開催された。
アメリカではボブ・ディランをはじめとしてミック・ジャガー、エリック・クラプトン、ニール・ヤング、レッド・ツェッペリン、マドンナなど、錚々たる顔ぶれが揃った。

イギリスのウェンブリーではポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、ザ・フー、デヴィッド・ボウイ、スティングなど、こちらも負けず劣らずのミュージシャンが集まり、12時からおよそ9時間に渡って次々とステージに登場した。
その模様は全世界に向けて生中継され、およそ19億人が目撃したと言われている。

18時40分頃、マーク・ノップラー率いるダイアー・ストレイツに続いて登場したのがクイーンだった。
1曲目を飾ったのは、イギリスで史上最も売れたシングルとも言われるクイーン最大のヒット曲、「Bohemian Rhapsody」。
普段のコンサートでは必ずと言っていいほど終盤に歌われるこの曲で幕を開けるというサプライズに、ファンはもちろんそうではない大多数の観客も熱狂し、75000人の会場は大合唱に包まれた。
そこからクイーンはMCもほとんど挟まず畳み掛けるように次々と演奏、与えられたわずか20分という枠の中で全身全霊のパフォーマンスを見せる。

クイーンは他のどのミュージシャンよりもこのライヴエイドのステージに賭けていた。
選曲からリハーサルに至るまで一切の妥協をせず、持てる全てを注ぎ込んで臨んだのは、“過去のバンド”という烙印を払拭するのに最高の舞台だったからだと、フレディ・マーキュリーは語っている。

「僕たちはロックスターとしてまだ脚光を浴びたいと思っているし、これは絶好のチャンスだった。それは正直に言おう。確かにライヴエイドはいいことをしているわけだが、見方を変えれば全世界という観客を相手に中継されるわけだ。それも僕たちの狙いであることは忘れてはいけない。」


後日、英国各メディアがライヴエイドを報道した際、以下のようなフレーズが用いられた。

Queen Steal the Show at Live Aid
(クイーンがライヴエイドで主役の座を奪う)





(このコラムは2014年6月3日に公開されたものです)

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