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TAP the LIVE

キャロル・キング~はじめてのスポットライト

2013.12.24

(何が友達よ! どうして私にスポットライトを当てようとするの?本当にやるつもり?)

キャロル・キングは怒りと不安、緊張で頭が真っ白になっていた。

1970年の夏、キャロルは友人、ジェイムス・テイラーのバックでピアノを弾くことを引き受け、バンド・メンバーと共にツアーを回っていた。
だが、ツアーで訪れたキャロルの母校、クイーンズ・カレッジでのライブが、その後の人生を大きく変えることになる。

本番直前、舞台裏で待機していると、ジェイムスが突然「Up On The Reef」を歌ってくれと言ってきた。
「Up On The Reef」は1962年にドリフターズが歌ってヒットした、キャロルの書いた代表曲の一つだ。
人前で歌うのが苦手だったキャロルは断固としてそれを拒否する。
だが、ジェイムスは聞く耳も持たずにステージに上がっていった。

ライブはジェイムスの自信に満ちた素晴らしい歌で順調に進んでいった。
途中、バンド・メンバーを順に紹介したジェイムスは、最後にキャロルを紹介する。
キャロルがこの学校の出身であること、数々のヒット曲を生み出した人だということを伝えると、観客からは温かい拍手が送られた。

「レディース・アンド・ジェントルメン、キャロル・キング!」

ジェイムスの声で、ステージの照明が暗くなった。
歌わなくてはならない時が訪れたのだ。
キャロルは完全にパニック状態だったが、覚悟を決めてピアノを弾き始める。
スポットライトが彼女を照らした。

震える声で歌いながら周りを見渡すと、バンド・メンバーはみな笑顔を見せてくれた。
中でもジェイムスは満面の笑顔だった。
2人は自ずと一緒に歌い始める。

屋根の上は私がしっている唯一の

願い事をするだけで 夢が叶う場所

いっしょに屋根へと上がりましょう

歌い終わったキャロルには盛大な拍手が送られた。

ジェイムスの手引によって、半ば強引にソロ・パフォーマーとしてのデビューを飾ったキャロルは、「彼の紹介の仕方と選曲のおかげで、私は歌う前からすでに観客から愛されていた」と自著で語り、人前で歌うことの楽しさを教えてくれたことを感謝し続けているという。

Carole King & James Taylor / Up On The Roof (Live At Troubadour 2007)

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