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Che sarà・後編〜琴線に触れるイタリアのメロディー、日本人は“超訳”がお好き!?

2022.01.02

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イタリアでこの歌「Che sarà(ケ・サラ)」が発表された1971年、日本では学生運動や安保闘争の火が燻っていた。
当時、にしむらよしあきが自身の政治思想を基に超訳した歌詞を、権力と闘いながら平和と自由を訴えていた学生達が集会や歌声喫茶などで合唱していたという。



日本語歌詞としては作詞家・訳詞家・詩人の岩谷時子の手によって訳された歌詞を越路吹雪が唄ったものが一般的に広く知られている。


越路吹雪『愛の生涯』

越路吹雪『愛の生涯』

(2005/EMIミュージックジャパン)




2011年には、漫画家・西原理恵子が毎日新聞に連載する人気コミックを実写映画化した『毎日かあさん』(主演:小泉今日子、永瀬正敏)の主題歌として、憂歌団の木村充揮(あつき)が2006年に発表したアルバム『小さな花』に収録していたバージョン「ケサラ~CHE SARA~」が起用されて話題となった。
【木村充揮 オフィシャルサイト】
http://dandylion.info



原詞の中に登場する主人公(青年)の胸中によぎる、先の見えない不安とやりきれない気持ち。
自分たちの暮している国で目の当りにする経済格差。
家族と離れて単身赴任で働く人達もいる。
孤独、焦燥、守りたいもの…そしてわずかな希望。
異国の地で生まれた名曲を、これまで数多くの作詞家やアーティストが訳してきた。
物語や童話が語り継がれてきたように、そのメロディーに想いを乗せて…。
そう、歌や文学の世界には“超訳”という夢のある文化が存在するのだ。


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