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これが本当の80年代サウンド⑬〜忘れられた洋楽ヒットにもう一度スポットライトを

2023.02.23

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これが本当の80年代洋楽ヒット・第13回


80年代の洋楽をまとめたネットコンテンツやラジオ番組や雑誌には、いつもお決まりのアーティストやヒット曲だけがラインナップされている。それは同時代のコンピレーションがリリースされても同じこと。今回の企画はそんなありきたりの選曲ではなく、聴くだけで(観るだけで)「ああ! いた!! あった!!」と歓喜するようなアーティストやヒット曲を思いつくままに集めてみた。題して「これが本当の80年代サウンド」。そろそろマドンナやマイケル・ジャクソンの呪縛から解放されよう。ドライブや通勤タイム、懐かしの音源探しに活躍すること間違いなし。(選曲/中野充浩)

ビリー・アイドル「Rebel Yell」(1984年/全米46位)
ジェネレーションX解散後、渡米したビリーは1982年にソロデビュー。翌年には相棒のギタリスト、スティーヴ・スティーヴンスと共作したセカンドが大ヒットする。これは最初にシングルカットされた曲。まさにビリー・アイドルの世界だ。なお、同アルバムからは「Eyes Without a Face」のヒット(全米4位)も生まれた。余談だが、1998年の映画『ウェディング・シンガー』に出演している。


リタ・フォード&オジー・オズボーン「Close My Eyes Forever」(1989年/全米8位)
ランナウェイズの二人のギタリストといえば、ジョーン・ジェットとリタ・フォード(少女たちのストーリーは2010年の映画『ランナウェイズ』に詳しい)。バンド解散後、リタは1983年に初ソロ作をリリース。続くセカンドもチャート・セールス両面振るわなかったが、サード作からこの曲と「Kiss Me Deadly」(全米12位)がヒットして、彼女の名前を久しぶりに聞くことになった。帝王オジーとのデュエットだ。


リンダ・ロンシュタット&ジェームス・イングラム「Somewhere Out There」(1986年/全米2位)
忘れられた名曲の代表格。スピルバーグ製作総指揮のアニメ映画『アメリカ物語』の主題歌としてヒットしたこの曲は、日本では当時FM番組「アメリカントップ40」で紹介されていたことを思い出す。寒い季節に流れてくるリンダの歌声。これは旅立ちの歌だ。デュエット・ソングとしても超一級作。知らない人はぜひ聴いてほしい。


エクスポゼ「Seasons Change」(1987年/全米1位)
久しぶりにこの名前を聞いた人がほとんどのはず。80年代後半のダンスフロアを賑わせた女性3人組。マドンナから始まったダンスポップの系譜。このナンバーワン・ヒットを含む7曲が連続でトップ10入り。日本でも知名度は高かった。なお、1993年には「I’ll Never Get Over You Getting Over Me」(全米8位)のヒットもあった。


サマンサ・フォックス「Touch Me (I Want Your Body)」(1986年/全米4位)
グラビア・ヌードモデルとして活躍し、イギリスのセックスシンボルだったサマンサが歌手としてブレイクしたのが1986年、この曲だった。その後ストック・エイトケン・ウォーターマンやフル・フォースなどのプロデュースでも「Nothing’s Gonna Stop Me Now」(全英8位)や「Naughty Girls (Need Love Too)」(全米3位)などのヒットを飛ばす。80年代後半、彼女の歌声がダンスフロアに響かない日はなかった。


ロジャー「I Want to Be Your Man」(1987年/全米3位)
1987年の忘れじのヒット。ダンスポップやヘヴィメタルに馴染んだティーンエイジャーの耳には、ロジャーのトークボックスを通したアーバンな歌声が心地良かった。ヒップホップが何もかもを変えていく90年代以前、ブラックミュージックの動向を追いかけてみると実は面白い。なお、ザップのリーダーとしても並行して活躍したロジャーは、1999年に47歳で亡くなった。


ディオンヌ・ワーウィック「Heartbreaker」(1982年/全米10位)
もちろんディオンヌが忘れられたわけではない。80年代のディオンヌといえば、真っ先に思い浮かべるのがスティーヴィー・ワンダーやエルトン・ジョンらとデュエットした「That’s What Friends Are For」のナンバーワン・ヒット。しかし、単独ではこの曲が彼女のキャリアにおいて最後のトップ10ヒットなのだ。80年代は、60年代から活躍あるいはデビューしたベテラン勢が、新しいサウンドやアプローチを試行錯誤しながら最後のヒットを飛ばした時代でもあった。


スクリッティ・ポリッティ「Perfect Way」(1985年/全米11位)
いわゆるシンセポップの名盤として評価の高い『Cupid & Psyche 85』からのヒット曲。と言っても今聞くと驚きは少ないが、当時はこれこそが「最新の機材を使用した最先端の音」だった。アメリカのダンスポップは邦楽ファンにも馴染めたが、イギリス勢のこの種の音はオシャレな人たちが好んで聴くというイメージが強かったのが80年代。あなたはどちら派だったか?








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【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
https://www.wildflowers.jp/profile/
http://www.tapthepop.net/author/nakano
■仕事の依頼・相談、取材・出演に関するお問い合わせ
https://www.wildflowers.jp/contact/

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